オフィスの見えない無駄を解決 日立の「座席ナビ」が機能強化

日立の「座席ナビ」はフロアマップ上で職員の在籍状況を把握でき、コンタクトリストも編集できるユニークなプレゼンス管理システムだ。

» 2012年03月22日 19時42分 公開
[ITmedia]

 日立製作所(日立)は3月22日、同社のネットワークソリューション「CommuniMax」のメニューとして提供している「座席ナビ」の機能強化を発表した。

 座席ナビを一言で表現すれば、職員のプレゼンスを管理できるWebシステムということになる。他のグループウェアやコラボレーションウェアでも同等の機能を備える製品は多いが、フロアマップ上で直感的に在席/離籍、またはリモートワーク中か否かなどを把握できる点が座席ナビの特徴となる。フロアマップ上でのプレゼンス確認は拠点をまたがって管理可能。例えばある食品系企業では30拠点以上/2400人で運用しているし、日立自身も16拠点/100フロア/7000人で利用しているという。

在籍者の名前をクリックすると、グループウェアに遷移したり伝言を送ったりできる

 今回の機能強化は主に2点。「コンタクトリスト機能」の追加と、インスタントメッセージによる「伝言機能」の拡充となる。

 コンタクトリストは、任意のメンバーをグループ単位でリスト化できるというもの。従来は組織ごとにしか一覧表示できなかったが、これにより部署をまたがったプロジェクトメンバーなどをグルーピングできる。

 伝言機能については従来から備えていたが、JREをインストールせず利用できるようにしたことで、実行時のメモリ消費を削減した。機能としては、アイコン表示/簡易ログ表示/開封通知などを追加している。

可視化されにくい無駄を解決

 既にグループウェア等を利用している企業の中には、座席ナビのようなプレゼンス確認のツールに対し、特段の必要性を感じないかもしれない。だが内線電話をかけた相手が不在だったり、席を訪問したら離籍中だったりということで時間を無駄にしているケースも多いはずだ。会議が長引いてしまい、その後の予定に齟齬をきたすこともあるだろう。総務部門にとっては、異動のたびに座席票を作り直すのも大きな手間になっているはずだ(座席ナビはActive DirectoryやLDAPなどのディレクトリサービスと連携できる)。個々の時間のロスを積み上げると、トータルでは巨大な人件費を無駄にしていることになりかねない。座席ナビはこのような気付いていない、あるいは困っていると感じていない問題を解決するという。

 なおプレゼンスについて、実際には着席しているのに離籍しているように見せられる他社製品もあるが、座席ナビでは「現実と異なる状況をユーザーが入力しては意味がない。コミュニケーションにおいても、勤怠管理上も問題が生じかねない」(日立)という考えから、ユーザー自身によるコントロールを許可していない。合わせて座席ナビのログ情報を集計し、フロアごと/時間ごとの平均在席率や、ツールへのアクセス率などを分析するソリューションも提供する。これによりユーザーは、自社に最適なオフィスレイアウトの設計や、リモートワークなどを取り入れたワークスタイルの多様化に備えられるという。

 価格はサーバアプリケーションが税込52万5000円から、クライアントアプリケーションが税込21万円(50人ライセンス)から。3月23日から提供を開始する。

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