ノベル、「SUSE Linux Enterprise 11 SP2」リリース カーネル3.0を搭載

ノベルは、エンタープライズ向けLinuxディストリビューションの最新版を発表。カーネル3.0を搭載したほか、新たにOS仮想化技術などをサポートした。

» 2012年03月27日 12時27分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo 山崎正広SUSE事業担当シニアマネジャー

 ノベルは3月26日、エンタープライズ向けLinuxディストリビューション「SUSE Linux Enterprise 11 Service Pack 2」の提供を開始した。カーネル3.0を搭載し、ファイルシステム「Btrfs」、OS仮想化技術「LXC」(Linux Container)を新たにサポートした。

 新製品は、独自の開発手法「Forward-Looking Development」を採用した。旧製品に新機能を徐々に移植していくバックポート形式ではなく、Service Packごとのタイミングで製品をリフレッシュすることで、アプリケーションの互換性を維持しながらカーネルを更新できるようにしたという。

photo Forward-Looking Developmentの概要図

 システム管理機能も強化した。Btrfsの採用で、ファイルシステムの書き換え時コピー、チェックサム、スナップショットに対応。さらに新開発のスナップショット管理ツール「Snapper」により、管理者が誤ってシステムに変更を加えてしまった際などに、簡単に元通りの状態に戻せるようにしたとしている。

 またLXCの採用で、1つのハードウェアで仮想的に複数のLinuxを起動できるようになった。これにより「ハードウェアのエミュレーションなどのオーバーヘッドが発生せず、より高速な仮想化環境を提供できる」(ノベルの飯田敏樹 システム基盤ソフトウェア製品担当テクニカル・スペシャリスト)としている。

 同社の山崎正広SUSE事業担当シニアマネジャーによると、SUSE Linux Enterpriseの国内シェアは10%程度。今回のアップデートではOS仮想化技術などの採用で、基幹系システムやHPC(High-Performance Computing)分野での利用拡大を目指す。

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