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» 2012年03月30日 08時00分 UPDATE

Ultrabookを選ぶ5つの理由とは?

今までのノートPCはとにかく重い。一時期話題になった「Netbook」も仕事でバリバリ使うには性能・機能があまりにチープだった。そんな我慢も、もう終わる。「Ultrabook」がモバイルワークを新時代に導いてくれるのかを検証する。

[敦賀松太郎,ITmedia]

モバイル製品の新カテゴリー「Ultrabook」は使えるか?

 新しいコンセプトのPCカテゴリーの登場は、いつも話題を集める。Intelが提唱する新カテゴリー「Ultrabook」はどうか。「厚さ1インチ(2.1センチ)以下」「Core i シリーズの搭載」を最重要定義としていることから、薄型・軽量とハイパフォーマンスの両立を目指していることが分かる。最近のモバイルの主流といえば、「従来のノートPC」「Netbook」「タブレット端末」の3種類だろう。Ultrabookは仕事の現場で利用価値があるのか――を検証するこの連載の第1回として、モバイル製品の購入に悩むビジネスマンA氏に登場いただき、ストーリー仕立てでチェックしていこう。

軽いPCがほしいけれど、非力なNetbookは論外

 Windows Vistaが鳴り物入りで登場した5年前(2007年)の春、外出して仕事をすることが多いボク(営業配属3年目)は、給料の半月分もするB5サイズのモバイルノートPCを購入した。Core2 Duoが搭載されたモデルは、その当時としては最新鋭。十分に満足のできる性能と機能を備えていた。しかし、IT製品の進化は早いもの。この5年のうちに携帯電話はスマホの時代になり、3G/WiFiを切り替えて使えるタブレットが普及して、ノートPCはみるみる老朽化していった。ノートPC自体のデザインや性能が大きく変わったわけではない。新登場した機器と比べて相対的に古くなっていったのだ。それも、物凄いスピードで……。

 古さを意識し始めると、急に不満が出てくる。特に気になるのが重量だ。本体だけなら2キロを切っているけれど、外出の長さを考えて9セルの大容量バッテリーを選択した時点で2キロ超だ。しかも、本体の奥行きはA4サイズのノートPCとそんなに変わらなくなってしまった。大きめのACアダプタや電源コード、マウス、データ通信カードなど、もろもろを合わせると重量は3キロ近くにもなる。1.5リットルのペットボトル2本分の重さだ。ノートPCの重さが今ではすっかり苦痛になった。

 そんな折、新しいノートPCがほしくなったのは、Windows 7が登場する少し前だった。データ通信事業者がスポンサーとなり、「100円」という破格の店頭価格で売り出されていた、いわゆる「Netboook」が登場した頃だった。小さくて軽いNetbookは、持ち運び用途にはピッタリだと思えた。

 だが、Netbookに搭載されていたプロセッサは、もともとPDAや組込み機器向けに提供されていたIntel Atomなどが中心だった。このプロセッサではWindows Vistaを動かすには、そもそも用途が違う。だから、ネットブックには一世代前のWindows XPがプリインストールされているのが常識だった。もっとも、Windows Vistaの評判が悪かった“お陰”で、Windows XPを搭載していることが逆に売りになっていたみたいだけれど。

 Netbookのストレージ容量にも不満があった。SSDは魅力的だけど、容量は極端に小さい。プレゼン資料や写真のような仕事の資料をためておくには不十分だ。HDDのモデルもあるが、こちらもなぜか容量が少なめ。すぐに使いきってしまいそうな予感がした。さらにネットを閲覧することが主目的とはいえ、画面解像度が限られ、Flashなどで作られたリッチなコンテンツ、あるいは高画質なビデオ映像などを再生するのが苦手ということも購入をためらわせた。いくら軽くて小さくても、今使っているノートPCよりも非力で使い勝手が悪いのであれば、買うに値しない。もうちょっと使ってみようというのが、そのときの結論だったわけだ。

魅力的なタブレットが出てきたけれど……

 ところが2010年のこと。再び、買い替えを考える製品が登場した。AppleのiPadをはじめとする、タブレット端末だ。Windows XPが動作するタブレットPCは、iPadよりもずっと古く、5年以上前から店頭に並んでいた。しかし、ノートPCの使い勝手をそのままタッチ操作のタブレットにしたそれらの製品は、使い勝手や性能の面で購入意欲がわくものではなかった。しかも高価だったっけ。

 それに比べ、iPadは最廉価モデルで5万円を切っている。先行して普及し、スマホ時代のきっかけを作った、iPhoneに似たインタフェースも何となく使いやすそうに見える。軽さは申し分ない。商談の場に持ち込んで利用する人も増え始め、何となくデキるビジネスマンを演出しているようでカッコイイ。

 そうは言っても、持ち運んで仕事に使うには、性能面や機能面で満足できない。性能面ではモバイル向けに特化したARMアーキテクチャのRISCプロセッサがiPadやAndroid系のタブレット型コンピュータの主流だ。コミュニケーションを中心とした簡単なアプリケーション程度には十分かもしれないけれど、オフィスアプリケーションをスムーズに使いこなすのは、かなり厳しいとボクは思う。

 機能面では社内の統合認証システムで管理されたメールシステムに直接アクセスできないし、業務で使い慣れたいつものオフィスアプリケーションも使えない。報告書を記述する際の入力スピードも、ノートPCに比べて格段に遅くなってしまう。これでは仕事に使いこなすのは難しく、残念ながらノートPCの代替として購入することはとてもできない。

選択肢はやはりノートPCの正統進化タイプ

 選択肢はやはり、「従来のノートPCのアーキテクチャを受け継いでいるものでなければ」とボクは考えるようになった。最新のノートPCのラインアップを見ると、高性能化、軽量化がそれなりに進んでいた。でも、なかなか食指が動かない。長く使えるスペックを考えると、どうしても従来とほぼ同じ重さになってしまう。これでは、買い替えの意味があまりない気がしていた。

 こうして買い時に迷っているうちに、事態はどんどん深刻になっていった。ついにHDDの空き領域が残りわずかになったのだ。仕方なく、当面のつなぎとしてUSB接続の外付けHDDを追加購入する。これでまた、重さが増えた。

 性能な限界も感じる。プレゼン資料のスライドショーや埋め込んだ資料映像がスムーズに再生できない。商談でカクカクと止まりながら表示される映像を顧客に見せると、セールスしている商品も性能が低いような印象を与えてしまう。進化の早いデジタル機器を、「買いたいと思ったときが買い時だ」とは、十数年前の1990年代から言われてきた。ノートPCの買い替えを決意して、情報を収集することにした。

ついに出会ったUltrabook

 そんな矢先、Intelが新しいノートPCのコンセプト「Ultrabook」を発表したという報道があった。興味を惹かれて調べてみると、それはまさしくボクが求めていたノートPCだった。インテルの定義によるUltrabookは、厚さが1インチ未満(2.1センチ未満)の超薄型だ。2センチというと、およそ300ページ立ての文庫本と同じサイズである。重さの方は定義されていないものの、多くの製品が1.5キロに満たない。ただし厚みが抑えられている分、外板を丈夫にするために薄くて軽い割には、“重厚感”を感じる製品が多い。

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 例えば、東芝のUltrabook「dynabook R631」は、従来のノートPCと同様に頑丈なマグネシウム合金を使って高剛性を高めている。A4ファイルサイズのこのモデルは、ディスプレイを閉じた状態の厚さが約1.6センチ、重量が約1.1キロ。日本HPのUltrabook「HP Folio 13-1000」は、本体にアルミ合金を使用して軽量化を図った。こちらは厚さが約2センチ、重量が約1.5キロだ。いずれも、これまで使ってきたノートPCに比べると半分の重さになり、B5ファイルサイズからA4ファイルサイズに大きくなっただけ、画面が広くなっている。

 ボクがもう一つ注目したのは、プロセッサには最新のCore iシリーズが搭載されていること。メモリも最大4Gバイト、128GバイトのSSDが一般的で、十分すぎるパフォーマンスだ。Ultrabookは、Core iシリーズの搭載が要件の一つなのだという。OSはもちろんWindows。オフィスアプリケーションも問題ない。業務で使う分には申し分ない。

 これで10万円を切る実売価格なのだから、購入しない手はない。これで移動中の負担も、使用中のストレスも軽減できるものと期待している。久々のノートPCの買い替えが、Ultrabookの発売時期に重なっていたのは、とてもラッキーなことだった。

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