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» 2012年04月09日 09時45分 UPDATE

デルモデルの現場から学ぶグローバル戦術:製品テストは100項目以上 システム化で品質管理を徹底する廈門工場 (1/2)

日本に出荷されるDellの製品は、どのような環境で製造されているのだろうか。生産拠点で目にした光景とは…。

[伏見学,ITmedia]

 米Dellが日本市場に向けて出荷するサーバやストレージ、ワークステーションなどの製品は、中国・福建省廈門(アモイ)にある生産工場「China Customer Center4(CCC4)」で製造されている。2006年から稼働している同工場では、日本向け製品のほか、韓国や台湾、香港への製品も製造している。

 このたび、CCC4の内部が日本の一部報道陣に公開された。本稿では、CCC4への取材を通じて見たDellの製品生産プロセスの全容を伝える。

サーバ組み立てには半年以上の特別研修が必要

 China Customer Center4 China Customer Center4

 CCC4ならびにCCC2(中国市場向けの製品を生産する工場)は細い道路1本を挟んで隣接する。CCC4の総敷地面積は22万9000平方フィートで、CCC2よりも18万平方フィートほど小さい。ここで働く従業員は、午前8時30分からの8時間勤務と、午後6時からの8時間勤務の二交代制となっている。生産がピーク時でなければ基本的に日曜日と月曜日は休日だという。また通勤用のバスが用意されており、朝夕、深夜問わず、従業員たちは乗り合わせて自宅と工場とを往復できる。

 CCC4の正面エントランスから中に入ると、すぐに金属探知機が設置してあり、空港さながらのセキュリティチェックが行われる。それを通り抜けると、巨大な空間に生産ラインが所狭しと広がっている。入口から見て、手前側はデスクトップPCやワークステーションなど組み立て作業が比較的単純な製品の生産ラインが、奥側はサーバ製品をはじめ高密度で複雑なシステムの生産ラインが並んでいる。製品の組み立てに関して、PCは平均4〜5分、サーバ製品は平均20分〜1時間かかることからも、作業内容の違いが明白だろう。工場に勤務する従業員は入社して2週間の新人研修を受講した後に生産ラインの現場に立つことができるが、サーバ製品を扱うには、通常の研修に加えて、半年から1年のトレーニングが必要だという。

dell02.jpgdell03.jpgdell04.jpg 草花で装飾された「DELL」(左)、従業員が日々利用する通勤バス(中)、工場内には食堂も完備
dell05.jpgdell06.jpg 出荷口にはトレイラーが並ぶ(左)、CCC4のエントランスでは厳重にセキュリティチェックが行われる

些細なところまでカスタマイズ

 では、CCC4での生産工程を見てみよう。Dellは個人ユーザーによるPC1台の注文から、企業によるサーバやストレージなどの大量注文まで、すべて顧客の希望に合わせて仕様をカスタマイズする注文生産を行っている。そのため、仕様の異なるさまざまな製品を迅速かつ正確に生産し、出荷することが求められている。

CCC4の中はベルトコンベアが縦横無尽に走る(写真提供:Dell) CCC4の中はベルトコンベアが縦横無尽に走る(写真提供:Dell)

 まず、顧客からオーダーが入ると、製品のシステム構成を記入した「トラベラー」と呼ばれる製品管理シートが生成される。このオーダー情報はすべて顧客データベースで一元管理されており、製造工程においてもタグに記録されるため、すべての製品は、いつ、どこで、誰が生産し、どの部品を使っているかを後々もトレースすることが可能だという。

 このオーダー情報を基に担当者はラックから必要な部品をピックアップしてトレイに入れていく。トレイはトラベラーとともにベルトコンベアでキッティングスペースに運ばれる。キッティングとは、コンピュータや周辺機器などの組み立て、OSのインストール、各種設定などを行う作業を指す。CCC4では、例えばワークステーションの場合、一人の担当者が筐体の中に必要部品を組み立てて、動作テストするためのラックスペースに運び、電源を入れて正常に動作するかどうかをチェックする。その作業と並行してOSやソフトウェアをLAN経由でインストールする。

 その後、各製品は梱包され、ベルトコンベアで流された製品はバーコードの読み取りによって自動的に日本や台湾などの地域別と、輸送手段別に仕分けられて、出荷となる。現在、日本へは85%が船便、15%が航空便により出荷、韓国へは80%が船便、20%が航空便で出荷されている。なお、梱包も顧客ごとにカスタマイズするため、製品種類や依頼内容に応じてさまざまな梱包材料を用意する。実際、CFS(Custom Fulfillment Services)と書かれた作業スペースでは、エンジニアによるサーバラックの配線が行われていたり、カスタム用の外面ラベルや梱包箱が積み上がっていたりした。

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