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» 2012年04月12日 08時00分 UPDATE

ビッグデータ時代到来 企業に求められる3つのスキル (2/2)

[中林紀彦,日本アイ・ビー・エム]
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小さな取り組みから始めよう

 いち早くこのような情報分析に取り組む企業では、ビジネス素養を備えたIT担当、もしくは、ITスキルを備えた業務担当という、今までは対極と思われていたスキルセットの歩み寄りが始まっています。これによって、ビジネスデータの意味を把握し、そこから次の価値をどう生み出すかを検討できる、かつ、ソフトウェアを使いこなすことでそれらを効率的、効果的に進めることが可能という具合です。

 数学的スキルの習得は多少ハードルが高いと思うかもしれませんが、ソフトウェアを活用すれば課題を解くことと数学を読み解くことを分離できます。皆さんの手元にある表計算ソフトでも単純な回帰分析が可能ですし、さらに高度な分析ソフトウェアを用いれば、インプットの数字の羅列から、分析手法や最適な数式モデルを推奨する機能を持つものもありますので、数学的スキルの不足を補うことができます。

 実際、既に分析への投資を実施して、ビジネス成功を収めている企業もあります。海外では、ビッグデータ分析をビジネスで活用しているデンマークの風力発電機の設計、製造、販売会社であるVestas Wind Systemsなどは会社全体で組織的な取り組みを継続的に行うことで成功を収めています。組織化することで継続性が増し、より効果的に分析を活用することができるようになります。

 日本でも、ビジネス課題を持つITエンジニア数人がビッグデータ分析をプロジェクト化して成果を上げつつあります。分析に関する数学的スキルの不足部分はIBMのような数理解析チームとビッグデータ分析ソフトウェアを持つベンダーがサポートすることで、前述の3つのスキルをカバーし成果を出すことに成功しています。

 また、100人以上を分析部隊とする専門組織を設置している企業があります。IT側とビジネス側の両方から人材を集めてアナリティクスチームをつくり、実際の作業を通じてトライ&エラーを繰り返しています。その過程を経て小さな成功体験を次に生かしつつ、分析レベルを上げていくことに取り組んでいます。まずは始めてみることで、必要なスキルを備えた人材が育つのです。育成の時間をお金で買うという発想から、最初に専門家を投入するのも一手でしょう。

 大量かつ多様な情報にあふれている現在のビジネス環境において、分析ニーズは必ずどの企業にも存在します。会社としてオーソライズされたデータに基づいて、最新のITツールを器用に使いこなしながら、効率的に高い価値の洞察を得ていくことが企業の差別化につながっていきます。

 本稿ではデータ分析をビジネスに活用するために必要なスキルや組織について述べました。ビッグデータの盛り上がりをきっかけに今一度データ分析について見直している企業も多いかと思いますが、全社を挙げての大きな取り組みとしてスタートしなくても、できるところから今すぐに始める、スモールスタートが肝要です。

著者プロフィール

中林 紀彦(なかばやし・のりひこ)

日本アイ・ビー・エム株式会社

ソフトウェア事業インフォメーション・マネジメント事業部 マーケティング・マネージャー

データベース関連製品のテクニカル・セールスを経て、2007年よりエバンジェリストとして活動。2010年より現職。ビッグデータ関連ソリューション/製品の戦略とマーケティングを担当。



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