Google、過去最高の決算と株式分割を発表

Googleの1〜3月期決算は売上高、純利益ともに過去最高を記録した。同社はこの発表とともに、実質的な株式分割の計画を発表した。

» 2012年04月13日 07時34分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Googleが4月12日(現地時間)に発表した第1四半期(1〜3月期)決算は売上高、純利益ともに過去最高を記録した。

 同社はまた、業績発表と同時に公開した株主向け書簡で、1対2の割合で実質的に株式を分割する計画を発表した。議決権のない新しい種類の株式を発行するという。この無議決権株は、すべての既存株主に株式配当の形で割り当てる。既存の株式1株当たり、新しい無議決権株を1株発行する。

 同四半期の売上高は前年同期比24%増の106億5000万ドル、営業利益は47%増の33億9000万ドル、純利益は61%増の28億9000万ドル(1株当たり8ドル75セント)だった。非GAAPベースの1株当たり純利益は10ドル8セントで、アナリスト予測の9ドル65セントを上回った。トラフィック獲得経費(TAC)が23%増の25億1000万ドルに上り、これを差し引いた売上高は81億4000万ドルで、アナリスト予測の84億5000万ドルを下回った。

 google Googleの四半期売上高推移(単位:百万ドル)

 Google直営サイトを通じた収入は前年同期比24%増の73億1000万ドルで売上高の69%を占め、AdSenseプログラムを通じたパートナー経由の収入は20%増の29億1000ドルで全体の27%を占めた。クラウドサービスのGoogle AppsやモバイルOSのAndroidなどを含む、その他の事業による収入は56%増の4億2000万ドルで全体の4%を占めた。

 ペイドクリック(広告クリック)数は前年同期比で39%増、クリック単価(広告主がGoogleに支払う広告費)は前年同期比12%減だった。前期比でも6%減だ。これは、単価が比較的低いモバイルおよびディスプレイ広告の割合が高くなったためという。パトリック・ピシェットCFO(最高財務責任者)は決算発表後の電話会見で、クリック単価の低下は広告主により良いリターンをもたらし、結果的に広告増加につながると強調した。

 同四半期末時点の正社員数は世界で3万3077人で、前四半期末時点から610人増加した。

 YouTubeで配信された決算発表後の会見の冒頭でラリー・ペイジCEOは、昨年9月に一般公開したソーシャルサービス「Google+」について、同サービスはGoogleのサービス全体をシンプルなものにするための取り組みの中心になっていると語った。Google+には2つの役割があり、1つはサービス全体をソーシャルなものにするための「ソーシャルの脊髄」、もう1つはソーシャルサービスそのものとしての「ソーシャルな目的地」だと説明した。同氏はGoogle+はソーシャルな目的地として急速に成長していると語ったが、具体的なユーザー数などには触れなかった。

 Google Chromeについては、ユーザー数が2億人を超えたと語った。

 Androidに関しては、Q&AでGoogleブランドのタブレットについての質問を受けてこうしたうわさを否定し、収入機会についての質問に対して「長期的にみている」と答えるにとどまった。ユーザー数やアプリダウンロード数などの具体的な数字は発表しなかった。

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