国内外で一貫したクラウドサービスを実現 日立とマイクロソフトが提携

日立製作所と日本マイクロソフトは両社のクラウドサービスを連携させて、グローバル展開する企業に提供する。

» 2012年04月13日 15時34分 公開
[伏見学,ITmedia]

 日立製作所と日本マイクロソフトは4月13日、クラウドコンピューティング事業で協業したと発表した。両社のクラウドサービスを連携し、グローバル展開する企業に向けて提供していく。

日立製作所 執行役常務 情報・通信システムグループ 情報・通信システム社 プラットフォーム部門CEOの佐久間嘉一郎氏(左)と日本マイクロソフトの樋口泰行社長 日立製作所 執行役常務 情報・通信システムグループ 情報・通信システム社 プラットフォーム部門CEOの佐久間嘉一郎氏(左)と日本マイクロソフトの樋口泰行社長

 日立のクラウドソリューション「Harmonious Cloud」とマイクロソフトのパブリッククラウドサービス「Microsoft Windows Azure Platform」を組み合わせて、ユーザー企業が国内外で同じ業務環境を構築できるようなハイブリッド型のクラウド基盤を提供する。

 具体的には、国内にある日立のデータセンターと海外にあるマイクロソフトのデータセンターをシームレスにつなぎ、データセンター間で業務アプリケーションを移行できるようにする。日立のミドルウェア製品「Cosminexus」を利用してクラウド基盤の違いを吸収しアプリケーションの移植性を確保するほか、日立のWAN高速化装置「日立WANアクセラレータ」とマイクロソフトのWAN接続機能「Azure Connect」を用いることで、クラウド間でのデータ連携や、国内データセンターにある業務データへのアクセスが安全に行えるようにする。運用面では、海外での障害対応と、国内サポートの連携を迅速に行う新たなサポート体制を検討していく。異なる企業のクラウドそのものが密に連携したサービスは珍しい。

 協業の背景について、日立で執行役常務 情報・通信システムグループ 情報・通信システム社 プラットフォーム部門CEOを務める佐久間嘉一郎氏は、「グローバル展開する顧客から全世界でクラウド基盤を活用したいという声が増えている」と話す。その中で、海外に業務データを置きたくない、クラウドでWindowsベースの既存IT資産を有効利用したいといった要望が多く、海外への業務環境の拡張にグローバルで実績があるマイクロソフトをパートナーに選んだという。日本マイクロソフトの樋口泰行社長は「両社のクラウドサービスのいいとこ取りをした。ユーザーはニーズに合わせて、国内あるいは海外のデータセンターを選択できる」とメリットを強調した。

 日立では、クラウド関連事業で2012年に2000億円、2015年には5000億円の売り上げ目標を掲げており、今回の協業も目標達成に向けた後押しになるはずだと期待を寄せている。

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