クラウド向けソフト市場、2016年にはソフト市場全体の20%超に――IDC予測

IDC Japanによれば、2016年のクラウド向けソフトウェア市場規模は、パブリッククラウド向けが2889億円、プライベートクラウド向けが2370億円になると見込まれる。

» 2012年04月16日 16時24分 公開
[本宮学,ITmedia]

 IT調査会社のIDC Japanは4月16日、国内クラウドコンピューティング向けソフトウェア市場予測を発表した。2016年にはパブリッククラウド向けで2889億円、プライベートクラウド向けで2370億円になると見込む。

 パブリッククラウド向けソフトウェア市場では、2011〜2016年の年平均成長率が19.6%になると予測している。ERM(Enterprise Resource Management)アプリケーションのSaaS(Software as a Service)型での利用拡大や、PaaS(Platform as a Service)向けソフト市場の拡大が主な成長要因になるという。2016年には国内ソフトウェア市場全体の中で11.5%を占めるまでに拡大すると見込む。

 プライベートクラウド向けソフトウェア市場では、2011〜2016年の年平均成長率が32.5%になると予測する。現在は開発環境が主であるというプライベートクラウドの用途が今後は業務システムにまで拡大するとみており、プライベートクラウド向けにデータベースソフト、ミドルウェア、アプリケーションの出荷が増えるという。2016年には国内ソフトウェア市場全体の中で9.4%を占めるまでに拡大すると見込む。

 パブリッククラウド向け/プライベートクラウド向けを合わせたクラウド向けソフトウェア市場は、2016年にはソフトウェア市場全体の20.9%を占めるまでになるという。一方、クラウド向け以外のソフトウェア市場(非クラウド市場)の成長は「ほぼ横ばいで推移」するとしている。

 IDC Japanの入谷光浩ソフトウェア&セキュリティシニアマーケットアナリストは「ITのモデルがクラウドを前提として構築されていく流れの中で、非クラウドビジネスにはこれ以上の成長を期待することができない」と指摘。「その分クラウド向けソフトウェア市場が成長のための市場機会となるが、新旧のさまざまなベンダーが参入するため、競争はより一層激しくなっていく」と予測している。

photo 国内クラウドコンピューティング向けソフトウェア市場予測、2011〜2016年(出典:IDC Japan)

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