富士ソフトとマイクロソフト、環境情報を可視化するクラウドサービスを開始

電力量や温度、CO2排出量などセンサで収集した情報をWindows Azureを活用してあらゆる場所で活用できるという。

» 2012年04月17日 16時25分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 富士ソフトと日本マイクロソフトは4月17日、電力量や温度、CO2排出量などの環境情報をさまざまな場所で利用できるようにするクラウドサービス「FSGreen EMS」の提供を開始した。2014年度までにのべ170社の企業や組織と一般住宅での利用を見込んでいる。

 新サービスは環境情報を収集するセンサの情報をマイクロソフトのクラウド基盤「Windows Azure Platform」に集約、インターネット経由でPCやスマートフォン、タブレット端末などから情報を分析したり、閲覧したりするもの。

サービスイメージ

 オフィスビルや店舗、工場のフロア、フロア内のブロックなどのエリアごとに、使用電力量や室温、湿度などの変化を時系列のグラフで確認したり、月次や週次、日次、時間ごとに比較したりできるほか、CSV形式で出力も行え、エネルギーの使用状況分析レポートの作成に役立てることが可能という。富士ソフトでは住宅メーカーとも協業して一般家庭向けにも同サービスを提供するという。住宅向けサービスでも家屋全体からフロア単位まで、消費電力や温度など変化をグラフで確認できるようにする。

 富士ソフトの小谷知哉執行役員によれば、同サービスはクラウド基盤を活用することで、導入にかかる期間やコストを抑制できるのが特徴。インターネット接続機能を内蔵したセンサを既設の配電盤に取り付け、LANや無線ネットワークに接続して計測したデータをWindows Azureへ定期的にデータをアップロードする仕組みで、「BEMS(ビルエネルギー管理システム)がない中小のビルや工場でも利用可能」(小谷氏)という。また、オフィス内ではネットワークスイッチにセンサを取り付けることで、PCの稼働状況も把握できるとしている。

グラフレポートの一例(左)と家庭向けサービスのイメージ

 費用は初期費用(機器代、設置工事代など)が25万円(税別)から、月額費用が2万5000円(1拠点1機器の場合、税別)から。設置前の現地調査から利用開始までの期間は平均で3週間から1カ月程度となる。

 会見した富士ソフトの豊田浩一常務執行役員は、「電気料金の値上げが企業の新たなコストリスクになるなど、環境情報の可視化がますます必要になる。今後は放射線量などセンサの種類を増やして対応可能な情報の幅を広げ、クラウド経由で対象機器を制御できるようにしたい」と語る。

 また日本マイクロソフトの加治佐俊一 業務執行役員 最高技術責任者は、「CO2排出量の削減や環境情報の可視化技術などに取り組んでおり海外では大気や海洋の変化をセンサで収集して、Windows Azureで分析するプロジェクトを進めている」と同社の取り組みを紹介した。

新サービスを発表した富士ソフトの豊田氏(左)とマイクロソフトの加治佐氏

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