IBM決算、売上高は横ばいだが通年見通しを上方修正

IBMの1〜3月期の決算は売上高は0.3%増、純利益は7.1%増だった。新興国市場の好調な売り上げが粗利益率の上昇に寄与した。

» 2012年04月18日 06時16分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米IBMが4月17日(現地時間)に発表した第1四半期(1〜3月期)決算は、売上高が前年同期比0.3%増の246億7300万ドル、純利益は同7.1%増の30億6600万ドル(1株当たり2ドル78セント)だった。売上高はThomson Reutersがまとめたアナリスト予測の248億2000万ドルを下回ったが、1株当たり純利益はアナリスト予測の2ドル66セントを上回った。

 営業利益は2.4%増の111億1800万ドル、粗利益率は1ポイント増の45.1%だった。

 売上高を部門別でみると、テクノロジーサービス部門は1.7%増の100億3500万ドル、ビジネスサービス部門は1.5%減の49億3700万ドル。ソフトウェア部門は5.5%増の56億ドルだった。ソフトウェアではWebSphereが16%増と好調だった。ハードウェアを扱うシステム&テクノロジー部門の売上高は6.7%減の37億4900万ドルだった。System zが25%減、小売店向け事業とマイクロエレクトロニクスのOEMはそれぞれ13%減だった。サービス、ソフトウェア、ハードウェアでのビジネスアナリティクス(BA)は好調で、14%増だった。

 地域別では、南北アメリカ地域が1%増の105億ドル、EMEA(欧州、中東、アフリカ)が2%減の76億ドル、アジア太平洋地域が4%増の61億ドルだった。OEM事業の売上高は17%減の5億900万ドルだった。新興国市場の売上高は9%増で、40カ国以上で2桁台の成長となった。BRICsでの売上高は10%増だった。

 バージニア(ジニー)・M・ロメッティ氏は、「新興国市場への投資が、ソフトウェア、ハードウェア、サービスの力強い売り上げ増という成果を上げ、利益率上昇に寄与している」と語った。

 同社は2012年通年の非GAAPの1株当たり利益目標を、前回発表の「14.85ドル以上」から「15ドル以上」に上方修正した。

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