YouTubeにドイツの裁判所が著作権保護機能追加の命令

ユーザーが投稿したコンテンツの著作権侵害をめぐる独著作権管理団体GEMAとYouTubeの訴訟で、ハンブルグの裁判所がYouTubeにはユーザーが投稿したコンテンツに責任があるとし、著作権保護のための機能を採用するよう命じた。

» 2012年04月23日 15時35分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 ドイツの作曲家や音楽出版社を代表する著作権団体GEMAは4月22日(現地時間)、同団体が米Google傘下のYouTubeと争っている裁判で、ハンブルグの地方裁判所がYouTubeにはユーザーが投稿した著作権侵害コンテンツに責任があるという判決を下したと発表した。

 同裁判所はYouTubeに対し、著作権で保護されたコンテンツが不法に投稿されないようにするための適切な機能をサービスに追加するよう命じた。YouTubeは、サウンドトラック用に提供している音楽ファイルにデジタル指紋を組み込み、キーワードフィルターを採用する必要がある。

 この訴訟では、ユーザーがYouTubeに投稿した動画が著作権を侵害している場合、YouTubeに責任があるかどうかが争点となっていた。GEMAのハラルド・ヘッカー会長は発表文で「YouTubeにはユーザーが投稿した動画について基本的な責任があると裁判所が認めたことで、われわれは目的を100%達成できた。これはわれわれにとって重要な勝利だ」と語った。

 GoogleおよびYouTubeは米メディア大手Viacomともユーザーが投稿した動画の著作権侵害で争っている。2007年にViacomが著作権侵害で両社を提訴し、2010年には連邦地裁がYouTubeは著作権者からの動画削除要請に従っているため、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)で保護されているというYouTubeに有利な判決を下したがViacomが控訴。2012年4月5日に連邦巡回控訴裁が地裁の判決を覆し、YouTubeの著作権保護機能について再度審議するよう差し戻しの判決を下している。

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