“コステロ”じゃないよ“コストロ”だよオルタナブログ通信(2/3 ページ)

» 2012年04月28日 08時00分 公開
[森川拓男,ITmedia]

Twitter CEO来日の理由とは?

 六本木で開かれたTwitterのディック・コストロCEOの会にうかがってきました。

 TwitterのCEOはコステロじゃなくてコストロさんです:海外速報部ログ


 佐藤由紀子氏「海外速報部ログ」はTwitterのCEOはコステロじゃなくてコストロさんですで、「六本木で開かれたTwitterのディック・コストロCEOの会」に行ったと報告した。エントリータイトルについて佐藤氏は、「結構『コステロ』さんと書いている人がいるので、違いますよ」と知らせたかったという。「ご本人も自己紹介のときに『こすとろ』と」言ったのだが、「それだけまだ日本で名前が広まっていないということ」だ。「同氏は創業者ではないし、CEOになったのは2010年のこと」だが、「ビジネス路線をぐいぐい推進してきたのはこの人だ」と佐藤氏はいう。

 「ビシーっと黒いスーツに黒いタイだったんで、余計に東海岸系の人みたい」だったそうだ。会見中に「通訳の方が日本語にしている間、1回だけツイート」したとかで、ツイートされた写真に佐藤氏もちゃんと写っている。

 コストロ氏来日の目的の一つは、古川国家戦略担当大臣との会談だったが、それは東日本大震災を経験して考えたTwitterの活用方法の提案だった。コストロ氏の提案に対して政府も前向きな対応をしたようなので、今後の動きを注視したい。

 片岡麻実氏「片岡麻実の「テクノロジーとリベラルアーツが出逢うとき」」の東日本大震災からの学び 味スタ避難所でのIT活用事例 ー避難所運営に必要なスキルとはーで紹介された「調布市にある味の素スタジアム避難所」では、「WebサイトとTwitterから台所用品を募集した所、50分後に提供者が見つかった」。「ポイントはネット上で公開されたやり取り」で、「すでに完了した案件なのか、どこまで進行したのか、どれくらい集まったのかがネット上で可視化され、分かるようにされ」ていたという。今後は災害時のインフラの1つとして、Twitterが積極的に活用されていくようになるかもしれない。

 ただしTwitterには危険性もあると、竹内義晴氏「竹内義晴の、しごとのみらい」の「外部の情報に引っ張られる」という危険な感覚で書かれている。

 竹内氏が「Twitterを眺めていたらどなたかの講演会か何かの情報が、タイムラインに連続して流れて」きた。そしていつしか、「『そうか、そういうことが大事なのか』と、その情報を表面的に受け取り、判断しようとしている自分」に気がついたというのだ。Twitterに限らず、テレビやラジオ、新聞などにも言えることだが、「外部の情報を表面的に受け取り、判断するこの感じはまずいな。危険だな」と思った方がいい。「自分で考えることに時間を割くように」心がけたいものだ。

 Twitterには関連サービスが多数存在する。高橋誠氏「点をつなぐ」がBufferは登録しておいたツイートを適当に分散してつぶやいてくれるので便利で紹介した「Buffer」は、気になった記事を登録しておくと、指定した時間に自動的にツイートしてくれるものだ。「Twitterでの情報発信を考えている人には便利なサービス」かもしれない。

 一方、吉川日出行氏「ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦」の残念、ツイートメールがサービス終了で紹介されたように、終了するサービスもある。吉川氏が指摘するように、「開発したサービスについてだらだらとサポートもせずに垂れ流し的に続ける会社も多い中、マネタイズの難しいサービスをすっぱりばっさりと辞める」のは至極まっとうだ。サービス終了した分は新しい事業に注力するということなので、これが「今後どう伸びるか楽しみ」である。

「原爆の子」の意見とは?

 誰ひとりとして原発や原爆の被害者が増えて欲しいなどと考える人はいないはずです。

 原発事故の放射能なんか風でアメリカまで吹き飛ばしちゃえばいいんだ、という意見:天下夢想onオルタナティブBLOG


 コストロCEO来日は、東日本大震災をきっかけとしたTwitterの新たな展開を模索することにあった。しかし被災地は、震災から1年経過した現在も復興のめどが立っていないところが多い。

 佐々木泰氏「もうひとつのソーシャルを考える」はふるさと再生に立ち向かう「南三陸マルセン食品ファンド」に投資しました!で、「東日本大震災で被害を受けた事業者の早期再建を目指すファンド」に投資したことを報告した。「ゼロからの再スタートですが、『社員を呼び戻し、少しでも早く事業再建を行い、地域一丸となって、ふるさと再生に立ち向かいたい。』とおっしゃっていて」、「その趣旨に賛同し応援したい」と思ったとか。現地の復興が進むことを祈りたい。

 磯島大氏「天下夢想onオルタナティブBLOG」は原発事故の放射能なんか風でアメリカまで吹き飛ばしちゃえばいいんだ、という意見を聞いて、驚いた。その人は「わしらは原爆の子なんだよ」とも言ったという。

 さすがに「アメリカに吹き飛ばしていいとは思いませんが、よくよく考えるととても根っこの深い発言だったのではないか」という気がする。「原爆投下についてアメリカは謝罪するとか反省するではなく、やむをえなかったで片づけていることにも起因するのではないか」と考察する磯島氏に筆者も同感である。「今回の原発事故についても東電の言い訳のように、仕方なかった(天災だ)とか予測不能だったいうようなことを言ったり、政府のその後の対応も含めて責任の所在があいまいなままでは、何十年もたっても同様に微妙な感情的軋轢が残ってしまうかも」しれない。

 刺激的な発言だが、「とてもいろいろなことを考えさせられるきっかけになった」のは間違いない。

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