テレワークが労働者のマインドを変えるテレワークの日 総括(後)(3/3 ページ)

» 2012年05月23日 11時30分 公開
[米野宏明,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

表明:会社の取り組みとして対外的に宣言する

 テレワークを行うと、対外的に不都合が起きる場合があります。例えば先にご紹介した「相手が印刷物を欲する」場合、社外では高性能なプリンターの確保が難しいため、大量の印刷は不可能です。しかし事前にメールやイントラネットなどで電子ファイルを提供しておけば印刷物なしで済むケースがほとんどなはずです。

名刺に印刷したりメールの署名に明記するのもよいだろう

 前回ご紹介したように、紙は1番セキュリティリスクの高い情報伝達手段であり、電力などの環境負荷をかけるものでもあります。ペーパーレス実現について相手に協力を得る正義は十分あるわけです。会社として環境やセキュリティを御旗としたペーパーレス体制の表明を大々的に行っていれば、従業員が都度都度謝罪をしながら説明する手間とストレスは回避できます。個人では主張しにくいことも、会社のビジョンの一部としてテレワーク実践を表明しておけば、社外の人に納得してもらいやすくなるのではないでしょうか。


 テレワークの実践には、技術、制度、心理、会社間の関係などさまざまな乗り越えるべきハードルがあり、どれも一朝一夕には解決できないかもしれません。しかしそれらを徐々に解きほぐすことで、解決の方向に向かうことはできるはずです。新しいことを始めるときは、過渡期においていろいろな矛盾が生まれます。でもだからと言って現状にとどまっていては、将来的に大きな損失をもたらすでしょう。

 日本マイクロソフトにおける実践は、ある特殊な企業の1事例に過ぎません。しかし、「テレワークの日」のトライアルとサーベイを通じて問題点の構造を明らかにすることができましたし、問題の内容や質が異なっていても、皆さんの環境での何らかのヒントにはなったのではないでしょうか。

 日本マイクロソフトでも、この試みは始めたばかりです。まだ予定段階ですが、この夏にも、より大規模、かつ今回のサーベイの結果を基にしたモデルをいくつか作って、テレワークの日を実践する予定です。皆さんもわれわれと一緒にチャレンジしましょう。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ