HANAを搭載した経営パフォーマンス管理製品を提供 SAP

SAP ジャパンは経営管理アプリケーション「SAP Planning and Consolidation」の新製品を提供開始した。

» 2012年05月29日 15時43分 公開
[伏見学,ITmedia]

 SAP ジャパンは5月29日、インメモリコンピューティング「SAP HANA」を基盤としたグローバル経営管理アプリケーション「SAP Planning and Consolidation powered by SAP HANA」を発表した。同日から一般提供を開始する。価格は非公表。

 Planning and Consolidationは、企業の予算編成や計画策定、予算実績管理などの機能を持つEPM(Enterprise performance management)製品。最新版では、データベース基盤にHANAを利用し、その上にBIソフトウェア「SAP NetWeaver Business Warehouse 7.3 SP06」および「Planning and Consolidation 10.0, version for SAP NetWeaver SP06」を実装する。これによりパフォーマンスが向上。50万レコード以上のレポートを作成するクエリを従来比で21倍に高速化したほか、予算データの登録スピードが3倍になった。

SAP ジャパン ソリューション統括本部 エンタープライズマネジメント本部の松村浩史本部長 SAP ジャパン ソリューション統括本部 エンタープライズマネジメント本部の松村浩史本部長

 SAP ジャパン ソリューション統括本部 エンタープライズマネジメント本部の松村浩史本部長は、高速処理を実現した理由について、「単にDBを取り換えただけではなく、技術的な工夫をアプリケーション側にも施しているからだ」と強調する。具体的には、計算処理をアプリケーション層からDB層へ移管し、メモリ上で計算処理するようにしたことで、アプリケーションの負荷を下げたという。

 加えて、製品カテゴリや月次といったサマリーレベルでの計画業務から、品目および得意先別、週次・日次レベルの粒度で計画策定と予実分析が可能になったほか、iPadやiPhoneなどのモバイルデバイスに対応することで、いつでもどこでも最新の経営情報を基にリアルタイムで意思決定や経営判断ができるようになった。計画業務に関しては、これまでバラバラに運用されていた個別の計画システムを単一のプラットフォームに統合した。

 Planning and Consolidationは現在、グローバルで6000社以上、日本では60社以上が導入している。採用企業の業種にかたよりはなく、企業規模も年商数百億円から数兆円と幅広いのが特徴だという。HANAの活用によって、今後は単品の収益管理など個別事業および業務の予算策定をサポートしていきたいとしている。

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