Special
» 2012年05月30日 10時00分 UPDATE

中堅企業で導入が進むクラウドソリューション:全国約900の個別指導学習塾をサポートするマネジメントシステムをWindows Azure Platform上に構築し年間の運用コストを削減

[PR/ITmedia]
PR

 クラウドソリューションというと、超大規模なエンタープライズシステムを想像しがちだ。確かにクラウドの特徴であるスケーラビリティは、従来であれば高額だったスケールアップやスケールアウトのハードルを小さくするため、企業は必要なコンピューティングリソースをクラウドから柔軟に調達できる。この際、ソフトウェアには変更を加える必要はない。また、ピークに合わせた情報システム投資をあらかじめ行う必要もない。システムで実際に必要になったリソース分のコストだけを負担すればよいのだ。

 しかしクラウドソリューションは、こうしたスケーラビリティのメリットだけでなく、アプリケーションの展開が容易であること、情報システムの運用管理コストを大幅に圧縮できることから、中規模システムにおいても積極的な採用が始まっている。全国900教室の個別指導学習塾を展開する自分未来アソシエは、マイクロソフトのパブリッククラウドソリューションであるWindows Azure Platformを活用することで、フランチャイズオーナーの日常業務にかかる負担を軽減するとともに、情報システムの管理コストを半減させることに成功したという。ここではその実際について、自分未来アソシエの稲吉会長、開発を担当した株式会社ギンガシステムソリューションの近藤部長に聞いた。

従来型システムをクラウドで刷新し、機能性の向上と管理コストの圧縮を実現

ina_mi.jpg 自分未来アソシエ 代表取締役会長 稲吉正樹氏

 自分未来アソシエは1994 年に「がんばる学園 六名校」を開校したことを始まりに、「個別指導」の学習塾を全国に展開。創業から18年を経た現在では、「がんばる学園」のほか「ITTO個別指導学院」、「みやび個別指導学院」などの学習塾、約900教室を全国に展開している。自分未来アソシエでは、これらの学習塾を効率良く運用するためにTMS(Total Management System)と呼ばれる独自システムを活用してきたと、同社代表取締役会長の稲吉正樹氏は説明する。

 「当社の学習塾の約8割はフランチャイズです。フランチャイズオーナーが入会案内などの電話を受けようと思っても、日中は授業などで忙しいため、十分に受け答えする時間が取れません。また、経理事務のためだけに人員を増やすのも難しいでしょう。そこで、授業料の引き落としから講師への給与振込、さらには入会案内や問い合わせの電話などもすべて、本部で代行しています。こうして業務負担を少なくして、本来の目的である子どもたちへの教育に注力できる環境を提供することが、当社の特徴になっています。そして、このサービスを行うために活用してきたのがTMSなのです」(稲吉氏)

 自分未来アソシエのTMSは、約10年に渡って活用されてきたシステムだ。Microsoft Visual Basicで作成したスタンドアロンのシステムを各校で使われているPCにインストール。本部に置かれたJavaベースのシステムにインターネット経由でデータを送信し、連携活用していた。ピーク時には毎月10校、年間100校のペースで開校し、成長を続けてきた自分未来アソシエでは、TMSをカスタマイズしながら運用してきたが、課題も多かったと稲吉氏は振り返る。

 「全国で稼働するスタンドアロンのシステムを運用管理するのは大変なことでした。当社のITパートナーであるギンガシステムソリューションの協力で大過なく運用してきましたが、より効率的なシステムがあれば乗り変えたいと考えていました」(稲吉氏)

 そこで折に触れ、TMSのWebサービス化などを検討してきたが、「2007年のNOVA事業取得など、大きな経営課題が続き、大規模なシステム変更を行うタイミングが難しかった」と稲吉氏は話す。しかし、2011年に同社は、長年の課題を解消するのに最適なプラットフォームとして、マイクロソフトのパブリッククラウドサービス、Windows Azure Platformを選択。全国900教室へのサービス提供をよりスムーズにする「TMS2」のコアとなる機能の開発を、約半年という短期間で完了させた。

約5万人の生徒情報や出納などを一元管理するRIAシステムを半年で構築

kon_mi.jpg ギンガシステムソリューション システム開発部部長 近藤浩明氏

 自分未来アソシエが新規に開発し、全国の学習塾へのサービス提供に活用する「TMS2」は、全校約5万人の生徒情報管理、授業日程管理、入出金・出納管理、本部による校舎業務代行機能など業務全般をサポートするWebサービスだ。この「TMS2」開発に際し、Windows Azure Platformをサービス提供基盤に採用した最大の理由がデータベースであると、ギンガシステムソリューション システム開発部 部長 近藤浩明氏は説明する。

 「TMS2のランニングコストを抑えるためにも、PaaS(Platform as a Service)のレイヤーに属するクラウドサービスを活用するのが一番だと考えました。TMS2実現にはRDBMS(Relational DataBase Management System)の構築が欠かせないのですが、AmazonやGoogleなどを検討した時点では、Googleにはデータベースが正式に採用されておらず、Amazon RDSもバックアックやパッチの自動化はあるものの、高可用機能はないようでした。しかし、SQL Azureは3つの物理マシンに1つのプライマリレプリカと2つのセカンダリレプリカを作成する3重化による高可用性を提供しています。また、過去2週間の指定した時間にデータベースをリストアすることができるPoint in time restoreやディザスタリカバリの提供など、将来的な充実も予定されていました。結果として、Windows Azure Platform以外の選択肢はありませんでした」(近藤氏)

 また、自分未来アソシエがTMS2の提供基盤としてクラウド サービスを念頭に置いた背景には、「全国900の教室でTMSが活用されるタイミングが、ほぼ一緒」という事実がある。増え続ける教室数と、集中するトランザクションに対応できるスケーラビリティを担保する上で、クラウドサービスの採用はごく自然な選択であったと近藤氏は指摘する。

 さらに、自分未来アソシエが重視した「ユーザービリティ」についても、RIA(Rich Internet Applications)の技術であるMicrosoft Silverlight 4活用によってクリアできたと、稲吉氏と近藤氏は声を揃える。

 「フランチャイズオーナーや講師は、年齢層も幅広く、必ずしもPCの操作に慣れているわけではありません。従来スタンドアロンで提供していたTMS以上の操作性を実現することが不可欠でした。そこで、デザインや操作性に関して何度もミーティングを重ねて、多くのリクエストを出したのですが、それらはほぼすべて実現できました」(稲吉氏)。

 「例えばTMS2の授業日程表では、画面に表示された時間割の中から任意の時間をクリックして、時間帯を指定し、予め登録しておいた生徒名をプルダウンメニューから選択するだけで設定できてしまいます。ほとんどの場合、生徒ごとに授業の曜日や時間などは決まっていますので、メニュー内の『ベース』に登録しておけば、いつでも授業日程を呼び出してコピーできます。また、授業時間を変更したい場合も、予定表の画面上でドラッグ&ドロップするだけで大丈夫です。1日のスケジュールが正確に記録されていないと授業の消化管理や講師の報酬額も変わってしまいますので、この画面の操作性にはこだわりました」(近藤氏)

 TMS2は、2011年9月頃から本格的に開発が進められ、半年後の2012年2月にリリースした。こうしたシステム開発のスピードこそクラウド活用のメリットであると近藤氏は評価する。

 「従来であればサーバを調達して、クラスタ構成を組む段階でかなりの時間を要しますし、コスト的にも1千万円近くの予算が必要となるでしょう。しかし、Windows Azureを採用することで、サーバの要件定義を含め環境構築にかかる期間が不要になるとともに、最小限のイニシャルコストで開発をスタートできました。それに、サーバを実機で調達した場合、3年から5年をめどに入れ替えの検討が必要になりますが、Azureであればそうした心配も不要です」(近藤氏)

tsm.jpg TMS2画面イメージ(クリックで拡大)

年間42人/月のシステム運用コストを削減

 TMS2が本格的に展開されるのはまだこれからだが、稲吉氏はTMSからTMS2に移行することで、本部のオペレーションも大幅に効率化されるだろうと指摘する。

 「今まで、本部でのTMS運用には7人/月ほどの負荷がかかっていました。しかし、今後はその半分。3.5人/月ぐらいで済むでしょう。年間で言えば約42人/月の削減ですから、TCO(Total Cost of Ownership)削減効果は大変に大きいと考えています」(稲吉氏)

 最後に稲吉氏は今後への期待を次のように話す。

 「今回、世界各地にデータセンターのあるWindows Azureを採用することで、災害時復旧対策にも役立つのではないかと期待しています。また、今後の機能拡張が容易である点も評価しています。本システムは本部、校舎の利用にとどまりません。学習塾として、より良いサービスを提供するために、例えば安全確保のために入退室管理として、生徒が帰宅された時には保護者へメールを送信する機能などもありますが、そのほかにも、生徒の成績推移を一覧できる画面を提供するなど、保護者も利用でき満足できるような、さまざまな機能を考えています」(稲吉氏)

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2012年8月16日