「LTEが好調」とイー・アクセス、対応スマホは「年度内に」

イー・アクセスは、夏商戦向けに高性能版のLTE対応「Pocket WiFi」など3機種を発表した。3月スタートのLTEサービスの好調ぶりをアピールしたが、スマートフォンの発売はまだ先になる。

» 2012年06月06日 13時22分 公開
[ITmedia]

 イー・アクセスは6月6日、「イー・モバイル」ブランドで提供するモバイル通信サービスの新製品3機種を発表した。3月開始の「EMOBILE LTE」に対応し、世界最速の通信速度をうたうモバイルWiFiルータなどを投入するが、LTE対応スマートフォンは「今年度中の発売を目指す」(阿部基成副社長)とした。

 新製品は「Pocket WiFi」の新モデル「GL04P」、WiFi対応タブレットの「GT01」、既に発表済みのスマートフォン新モデル「GS03」の3つ。GL04Pは理論値で世界最速という下り150Mbpsの通信速度が特徴。だが現状のLTEサービスでは75Mbpsとなる。総務省が2012年度中に予定する1.7GHz帯周波数の新たな割り当てが実現した場合に、端末性能に近い通信速度が利用できるようになるという。

 GT01は、10.1インチのフルHDディスプレイやAndroid OS 4.0を採用し、4コアCPUと16コアのGPUを搭載したことで、高精細・高画質の動画を滑らかに再生できる性能を持つ。通信速度がIEEE802.11n利用で最大300Mbps。同社ではGL04Pと組み合わせての利用を訴求していく方針。GS03もAndroid OS 4.0を採用し、4.3インチの有機ELディスプレイを採用。デュアルコアCPUによる高速処理性能や、「マジック3D」という立体デザインが特徴のホームランチャを搭載する。

夏モデルの3機種。タブレット端末とスマートフォンでは同社初のAndroid 4.0採用モデルとなる

 発売予定時期はGS03が6月14日、GL04Pが7月、GT01が8月以降。いずれもHuaweiが開発した。

LTEユーザーの獲得が好調

 同社が3月に開始したLTEサービスは、5月下旬時点における量販店でのデータ通信販売シェアで42.8%になり、トップだったという。会見した阿部副社長は、「エリア、通信料金、端末性能の面で評価された」と説明。サービスエリアは2012年度中に全ての政令指定都市および県庁所在都市で人カバー率を99%にする計画となっている。

LTE対応データ端末の販売状況(左)とエリア計画

 現行サービスではLTEのカテゴリ3という規格を採用しており、通信速度は下りが75Mbps、上りが25Mbps。総務省による周波数の新規割り当てでカテゴリ4に移行し、下り通信速度を112Mbpsに高速化する計画(GL04Pはカテゴリ4対応)というが、時期は未定。現状では先行する700MHz帯の獲得を優先している。

LTEのカテゴリ別通信速度の比較。現在イー・アクセスに割り当てられているのは1.7GHz帯の15MHz幅で、追加割り当てでさらに5MHz幅を獲得(計20MHz幅)できればカテゴリ4でのサービスが可能になる

 会見後の取材で千本倖生会長は、700MHz帯の獲得について「やや(審査に)時間がかかるが、いいところにまで来ている。3社に(同社とNTTドコモ、KDDI)に割り当てられるのではないか」とコメントした。

 LTEサービスの契約者獲得では対応スマートフォンの発売が鍵を握るとみられるが、「新モデルを多数発表したドコモのような施策は当社には難しいが、近いうちに特色ある端末を投入したい」(千本氏)と話している。

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