モバイルワークスタイルを実現するクラウドとテクノロジーの発展

創業以来一貫して「モバイルワークスタイルの実現」に取り組んできたシトリックス。仮想化インフラやクラウド基盤構築技術を提供する企業としての印象が強いが、「モバイルワークスタイルを実現するため」との考えから、それに必要な仮想化インフラやクラウドのソリューションを手掛けている。さらに同社は、どのような技術によってモバイルワークスタイルの実現に取り組んでいくのだろうか。

» 2012年06月18日 10時00分 公開
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モバイルデバイスの活用

 シトリックスのリモート配信技術やあらゆるデバイスへの対応を実現する技術には、長年に渡って一貫して取り組んできた高い完成度と成果があり、容易には他社が追従できないレベルにある。同社のソリューションでは既存のデバイスに対して、企業の基幹業務アプリケーションを配信し、利用できるようにする。これはモバイルワークスタイルの実現に不可欠なものだ。

 保険業界や金融業界など、以前からモバイルデバイスの活用に熱心な企業は存在していた。だがデバイスが発展途上だったこともあり、多くの制約の下で限定的な利用にとどまっていた。例えば、保険の外交員が持つ専用端末には複雑な保険計算のためのアプリケーションを実行する持ち運びが可能な端末が利用されたものだが、システムの処理能力が限られ、ITの専門家ではない外交員がスムーズに利用できるようにするためには、デバイスメーカーと協業して “専用端末”を開発せざるを得なかった。

伊藤利昭氏 シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部 本部長 伊藤利昭氏

 シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部の伊藤利昭氏は、こうした専用端末の問題点として、コストが高い点を指摘する。自社専用に開発したデバイスは、どうしても大量販売を前提とした一般向けPCよりも高価になってしまう。当然ながら専用端末を導入する企業は、コストに見合うメリットを得られるから取り組むわけだが、専用かつコストが高いことでのデメリットもある。

 伊藤氏は、こうした企業における過去のモバイルコンピューティングへの取り組みについて、「高価なデバイスでは、配布先も限定的なものにならざるを得ず、使える人にしか配れない。保険代理店といった小規模で個人経営に近い形の企業などへは、コスト的にも取扱量という面からも配布できない」と指摘する。

 せっかくのモバイル環境も、そのメリットを享受できるユーザーが限定されてしまうわけだ。しかし現在のスマートフォンやタブレット端末の普及状況と、どのようなデバイスに対しても業務アプリケーションを配信できるシトリックスのソリューションを組み合わせると、誰もが低いコストでモバイルワークスタイルを実現できるようになる。

 「アプリケーションをサービスとして配信し、デバイスを問わずに利用できるようにする。保険会社なら各代理店に対して、『皆さんのデバイスから業務アプリケーションにアクセスして業務ができるようになります。セキュリティの心配はありません』と言えるようになる」と伊藤氏は話す。

 このケースではシステムの構築や運用に掛かるコストが下がり、全ての代理店に対してアプリケーションをサービスとして提供できるようになったわけだ。企業は専用端末の開発コストが不要になる。その分をアプリケーション開発に回し、以前よりも高機能で使いやすいアプリケーションを用意すればサービスのレベルを引き上げることできる。端末を利用するユーザーも、わざわざ高価な専用端末を購入する負担がなく、手持ちのPCやスマートフォン、タブレット端末などを必要に応じて使い分けられる。

 シトリックスではモバイルに対応したアプリケーションを開発するための開発キットも用意した。これを利用すれば、バックエンドを従来通りのWindowsアプリケーションとしつつ、カメラやGPSといったモバイル端末が備える機能を連携させる高度なアプリケーションを開発できるようになる。

 例えば、災害保険の請求では現場の状況を撮影してその写真を本社に送るといったプロセスがあるが、スマートフォンやタブレットのカメラ機能やGPS機能を活用して、正確な位置情報や時刻情報を持つ写真データを現場から本社の基幹システムに送信する仕組みを簡単に実現できる。単にWindowsアプリケーションをモバイル端末でも利用できるようにするだけではなく、モバイル端末の機能も積極的に活用できる高度なアプリケーションへと進化させることができるわけだ。

モバイルワークスタイルを支えるクラウド

 シトリックスは、クラウド環境に必要な技術へも積極的に取り組んでいる。オープンソースコミュニティとの共同で開発にあたり、ユーザー向けのクラウドサービスも提供する。

 モバイルとクラウドは密接な関係にある。モバイルワークスタイルではユーザーがいつどこにいても、仕事に必要なアプリケーションやデータにアクセスできなくてはならない。多数のユーザーを抱える大企業なら社内に十分なITリソースを確保し、インターネット経由による社員のアクセスを許可するために必要なものを全て準備できるが、中小企業はクラウドサービスを上手に活用することで同様の仕組みを安価に構築できるだろう。

 しかし企業が業務にクラウドを活用するには、それぞれの企業のポリシーに基づいたアクセス制御が欠かせない。認証されたユーザーのみがアプリケーションやデータにアクセスし、第三者に情報が漏えいしないことを確実にしなければならないためだ。シトリックスは、このために必要な技術や製品をそろえている。容易に使えるコンシューマー向けのクラウドサービスのコンセプトを取り入れつつ、適切なアクセス制御といった企業ユーザーに必要な機能を備えたクラウドサービスも提供する。

 同社は、仮想化基盤のハイパーバイザやクラウドOSの開発に関してオープンソースコミュニティと共同で取り組むようにしている。オープンソースのハイパーバイザ「Xen」をベースにした「XenServer」を手掛ける一方、クラウド基盤技術の「CloudStack」をApache Software Foundationに寄贈しオープンソースコミュニティとともに開発を進めている。こうしたオープンソースコミュニティとの密接な連携は、インフラ技術の開発を加速させるだけでなく、ユーザーが増えることでのエコシステムの拡大が期待できるといったさまざまなメリットをもたらす。

 「モバイルワークスタイルの実現」を目標にするシトリックスは、クラウドやその基盤技術を、目標の実現に不可欠な要素と位置付けているが、それら自体の開発を目標としているわけではない。だからこそ、オープンソースコミュニティと柔軟で緊密な協力関係の築けているのだろう。同社の技術はオープンソースソフトウェアの活用に熱心なサービスプロバイダーやクラウド事業者の間でも広く支持されており、結果的にユーザー企業に大きなメリットを提供する形になっている。

Project Avalonが目指すもの

 シトリックスのソリューションの中で最新の取り組みとなるのが、5月に米国で開催された「Citrix Synergy 2012 San Francisco」で発表された「Project Avalon」だろう。これは、同社のアプリケーション/デスクトップ配信ソリューションである「XenApp」や「XenDesktop」をクラウド対応させていくための取り組みとなる。XenApp/XenDesktopを使うシーンを拡張すると同時に、クラウド環境において統合的な運用管理を実現するための新たなインタフェースも開発する。

 Citrix Synergy 2012 San FranciscoではProject Avalonのデモンストレーションが行われた。ユーザーのデスクトップマシン環境をAmazon Web Servicesなどのパブリッククラウドサービスに配置できることが披露された。インターネットに接続できれば、どこからでもアクセス可能なパブリッククラウド上にユーザーのデスクトップ環境を置く。これで「いつでも、どこからでも仕事ができる」というモバイルワークスタイルが実現される。

 またクラウド環境の特徴を取り入れることで、企業はITリソースを柔軟に活用していくための手段を少ないコストで手にできる。ユーザーが必要とするITリソースが増減しても、その変化に柔軟に対応していける自由度が確保されるわけだ。


 シトリックスのソリューションは、常にユーザー企業のニーズを満たすことを最優先に開発されてきた。ユーザーにとって必要不可欠な機能を確実な形で実現するというのが同社の強みである。モバイルワークスタイルは、一部の先進的なユーザー企業に限られた特殊な存在ではなく、あらゆる企業が成長や発展していく上で不可欠な次世代の環境となりつつある。この分野の先駆者であり、ユーザー企業のニーズを熟知するシトリックスだからこそ、モバイルワークスタイルの実現に最も包括的で完成度の高いソリューションを提供できるのだろう。

Citrix iForum 2012 Japan
ビジネスに機動力を ―拡がるクラウドサービス、加速するモバイルワークスタイル―
開催日 2012年7月17日(火)〜 7月18日(水)
会 場 ザ・プリンスパークタワー東京(芝公園)
主 催 シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
定 員 4,000名(参加費無料/事前登録制)※一部、有償セッション
対象者 CIO・IT部門責任者・マネージメント層、企業内情報システムご担当者や管理者、ネットワーク管理者、センター事業者、システムインテグレーターなどのIT関係者、オンラインサービス事業者
おすすめセッション <Day1 - 7月17日(火)>
パネルディスカッション:テレワークの現実と実態(13:00-13:45)
エグゼクティブ対談:リッチメディア対応仮想デスクトップが拓く新たな価値―シトリックスとシスコは戦略的提携を通じて何を提供するか(13:00-13:45)
仮想化によるセキュリティおよびコンプライアンスの強化とそのポイント
(14:05-14:50)
最新クラウドエコシステム(15:35-16:20)
1年1ヶ月で回収可能な「クライアント仮想化」のROI(投資対効果)325%を実現する5つの具体的解決方法(16:40-17:25)

<Day2 - 7月18日(水)>
BYODのメリットと現実的な取り組み(13:00-13:45)
事例に学ぶクラウド活用の現状(14:05-14:50)

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提供:シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2012年7月17日

Citrix iForum 2012 Japan
ビジネスに機動力を
―拡がるクラウドサービス、加速するモバイルワークスタイル―
開催日 2012年7月17日(火)〜 7月18日(水)
会 場 ザ・プリンスパークタワー東京(芝公園)
主 催 シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
定 員 4,000名(参加費無料/事前登録制)※一部、有償セッション
対象者 CIO・IT部門責任者・マネージメント層、企業内情報システムご担当者や管理者、ネットワーク管理者、センター事業者、システムインテグレーターなどのIT関係者、オンラインサービス事業者