前述のようにDR計画は、その準備だけでも長い時間を要する。キヤノンMJが短期間で計画を実行に移せたのは、2007年のアセスメントでBCPの実効性や課題を洗い出し、対応を強化していた点が大きい。それでも実際のDRに直面して、見えた点が少なくないという。
結城氏が今回のDRの主な成功要因として挙げたのは以下の点。
一方、実際にDRを発動して結城氏が苦労したという点は次のようなものだ。
アセスメントの結果から、必要な業務システムを短時間かつ無理ない形でどう確実に復旧させるかというイメージを明確にし、CIOに積極的に関与して必要な環境作りを平時から準備していた。アセスメントはDRに対する経営陣の理解も促すことになり、今回のケースでは迅速な意思決定を可能したという。なお、沖縄のDRサイトは、平時は開発環境として運用する。
結城氏は、「今回の事態にアセスメントの結果が非常に役立ったこともあり、まだという企業はぜひ行っていただきたい。課題が見え、すぐに行動も起こせるようにもなる。継続的に自社のITインフラを見直し、段階的に対応していくことが重要」とアドバイスしている。
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