EMCが検証済みIT基盤製品「VSPEX」を発表、パートナーによるアレンジに対応

EMCのストレージと検証済みのネットワーク、サーバ、仮想化ソフトをベースに、パートナー会社が独自の仕様を加味して顧客に販売できる。

» 2012年07月05日 13時21分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 EMCジャパンは7月5日、IT基盤製品「VSPEX」を発表した。同社の販売パートナー(EMC Velocityプログラム参加企業)などがVSPEXに独自の機能やサービスなどを付加して企業顧客に提供するものとなる。

 VSPEXは、EMCのストレージとネットワーク(シスコシステムズもしくはブロケード)、サーバ(シスコもしくはインテルの協力)、ハイパーバイザー(日本マイクソフトもしくはヴイエムウェア)、アプリケーション(シトリックス・システムズ・ジャパンもしくはヴイエムウェア)の各製品との構成を検証済みの形でパートナー会社に提供。さらにパートナー会社が、顧客ニーズに基づいてアレンジして販売する。

VSPEXの展開でEMCと協業するベンダー

 事前検証はEMCのラボで実施済み。パートナー会社が加味する仕様については、EMCがパートナー会社に提供するクラウドベースの検証環境「VSPEXラボ」で検証できる。EMCはこのほかに、技術資料(レファレンスアーキテクチャやサイジングのガイド、導入ガイド)やマーケティングの関連資料やプログラム、サービスをパートナー会社に提供する。レファレンスアーキテクチャでは仮想デスクトップ基盤やプライベートクラウドなど14種類が準備されている。

 新製品について執行役員 パートナー・コーポレート営業本部長の中山泰宏氏は、パートナー会社が中堅・中小企業顧客に対する販売機会を拡大できるよう支援するためと説明した。EMCではパートナー会社経由による売上拡大を重点戦略に位置付けているといい、事前検証済みの構成にパートナー会社が“味付け”を加えられるようにすることで、多様な中堅・中小企業顧客のニーズに対応できるようにするのが狙いという。

 具体的な製品仕様や価格はパートナー会社によって異なる。例えば仮想デスクトップ基盤の運用する場合なら250〜2000ユーザーの環境、プライベートクラウドなら50〜250台の仮想サーバ(製品により異なる)といったレファレンスアーキテクチャが用意され、パートナー会社はこれをベースに別の製品や機能、サービス、保守、ライセンスなどを追加した形で顧客に販売することになる。

レファレンスアーキテクチャの一例

 なお、同社はシスコやヴイエムウェアと共同でクラウド基盤パッケージ製品の「Vblock Infrastructure Packages」などを展開しているが、「Vblockは大規模環境向けであり、VSPEXは中堅・中小企業のためにソリューション」(中山氏)と、競合関係にはないことを強調している。

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