IDCは日本のクラウド市場に関するユーザー動向を調査した。
IT調査会社のIDC Japanは7月24日、国内のクラウドコンピューティング市場に関するユーザー動向調査結果を発表した。クラウドを導入する企業は増加傾向にある一方で、検討したが利用しないとした企業も急増した。
クラウドを理解する企業におけるクラウドの利用および導入率は、SaaS(26.3%)、パブリッククラウド(19.1%)、業界特化型クラウド(8.2%)、プライベートクラウド(17.2%)となり、2011年に実施した調査結果と比較すると割合は増加した。一方で、「検討したが利用しない」と回答する企業の割合は前年比で大幅に増えた。技術的、管理的な課題によって短期間ではクラウドの導入ができないと判断する企業が多かったことが背景にあるという。
国内のクラウド市場では、2010年にSaaSが「認知度の普及」から「ベンダー間の差別化」へとベンダーの課題が変わり、2011年にはPaaS/IaaSにおいて同様な変化が見られた。2012年には「プライベートクラウドの啓発と、ベンダー認知度の普及」から「差別化」へ変化するとIDCは見ている。
また、パブリッククラウドを提供するベンダーが増える中、ユーザー企業が具体的に検討、評価するベンダーおよびサービス数は限られており、具体的に評価したベンダー数は3社以内と9割弱が回答している。
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