Twitter、英紙記者のアカウント一時停止について謝罪と説明

Twitterがパートナー企業のNBCのオリンピック放映に不満をツイートしたアカウントを一時停止したことについて経緯を説明し、謝罪した。

» 2012年08月01日 12時34分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Twitterは7月31日(現地時間)、Twitterルールに違反した疑いで英Independent紙の記者のアカウントを一時停止した件について、謝罪し、状況を説明した。

 アカウントを一時停止されたのは、Independentのロサンゼルス特派員、ガイ・アダムズ氏。同氏はロンドンオリンピック開催時から、米国での放映権を持つ米NBCについての不満を何度かツイートしていた。例えばNBCが開会式をライブ中継しないことについて、「NBCがオリンピックがまだスタートしていないフリをしている責任者の名前はゲイリー・ゼンケル。彼に意見をメールしよう」というツイートで、同氏のメールアドレスを表示した。

 この後しばらくして同氏のアカウントは停止され、メディアブログの米Deadspinをはじめとする多数のメディアがこの件を取り上げた。TwitterはNBCと提携し、ロンドンオリンピックのイベントページを開設している。

 nbc NBCのオリンピックイベントページ

 Twitterは31日にアダムズ氏のアカウントの停止を解除し、アカウント停止にいたったいきさつを以下のように説明した。


 同社は「ガイドラインや留意点」で明記しているように、Twitterのルールに違反したアカウントは一時停止することがある。違反したかどうかは、ユーザーからのフォーマットを使っての被害届を受けた場合に、Trust & Safetyチームが調査して判断する(たとえ大企業の重役や有名人からの依頼でもフォーマットによるものでなければ受け付けない、と公正さを強調している)。アダムズ氏のアカウントについてはNBCから届けがあり、個人のメールアドレスを表示していることをルール違反と判断して一時停止にした。

 Twitter自身が個人のアカウントを監視することはなく、届けがあってから初めて調査する。ところが、今回に限っては、NBCとの提携に従事しているTwitterの従業員がアダムズ氏のツイートについてNBCに報告し、正式な被害届を出すよう勧めた。Trust & Safetyチームはその経緯を知らなかったため、ルール通りにアカウントを停止した。


 Twitterは、従業員がNBCに届けを勧めたことについて謝罪し、今後このようなことがないよう努力するとしている。なお、アダムズ氏が記したNBC幹部の企業ドメインのメールアドレスは広く公開されているものであり、Twitterルールに違反していないという指摘に対しては、企業ドメインのメールアドレスであっても公表されたくないユーザーもいることから、Trust & Safetyチームの判断には問題はなかったとしている。

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