カスペルスキー、個人向けセキュリティ製品の最新版を発表 ネット決済保護を強化

WindowsやMac、Androidに対応した「カスペルスキー 2013 マルチプラットフォーム セキュリティ」を10月に発売する。

» 2012年09月10日 17時27分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 カスペルスキーは9月10日、WindowsとMac、Androidに対応した個人向けセキュリティ対策ソフト製品の最新版「カスペルスキー 2013 マルチプラットフォーム セキュリティ」を発表した。10月11日に発売する。

 最新版では新たに「プライベートライセンス」を提供する。同ライセンスは、1年もしくは3年間に1人のユーザーがプライベートで使用する10台までのデバイスで同ソフトを利用できる。11台以上でも無償利用でき、希望する場合は同社に連絡して対応してもらうことで利用可能になる。また、1年もしくは3年間でインストール可能デバイスが3台までのライセンスも用意。標準価格はいずれも1年版が7140円、3年版が1万1340円となる。各OS向けの単体製品も販売する。

 最新版の新機能ではWindows向けには「ネット決済保護」と「ぜい弱性攻撃ブロック」を搭載。「ネット決済保護」機能は、フィッシング対策やWebサイトのデジタル証明書検査、脆弱性チェック、データ転送保護で構成され、入力情報の漏えい防止する機能も提供。ユーザーが詐欺サイトや改ざんされた不正サイトに誘導されるのを防ぐほか、キーボード入力する決済情報をキーロガーなどのマルウェアに盗まれないようにできるという。

「ネット決済保護」機能は簡単に設定でき、Webサイトへのアクセスからデータ転送までを保護するという
入力するIDやパスワードが盗聴されないようソフトウェアキーボードも用意

 「ぜい弱性攻撃ブロック」機能では脆弱性を含んだアプリケーションが実行される際に、その挙動を解析してサイバー攻撃特有の兆候がみられれば動作を制限する。このほかに、フィッシング対策機能では定義ファイルだけでなく不正が疑われるWebサイトの挙動も解析してフィッシングサイトであるかを判断するよう機能が強化された。

 Mac向けには従来のウイルス対策機能に加え、Webセキュリティ機能や保護者設定による管理、ソフトウェアキーボード機能を追加した。Android向けは6月に発売した単体版の機能がスマートフォンやタブレット端末それぞれで利用できる。対応OSにはWindows 8やOS X Mountain Lionが追加された。

2013年版製品のラインアップと標準販売価格

 会見した川合林太郎社長は、「プライベート版」の提供について「1人のユーザーが使うデバイスの種類や数が増えており、製品もマルチプラットフォーム対応になっている。今後は、デバイスごとにライセンスを購入するというより、1人のユーザーがデバイスの数や種類に縛られず保護できるライセンスが求められる」と話した。

 川合氏はまた、昨年版製品が国内のウイルス対策ソフト市場で初めて14.5%の2けたシェアを獲得したことも明らかにし、「1ライセンスでマルチデバイスに対応できるようにした昨年版製品のライセンスがユーザーニーズをとらえた」という。最新版製品の販売で「シェアを20%以上、できれば30%以上に引き上げたい」と語っている。

製品パッケージと新キャラクターの「グリーンベア」。クマは欧米で「幸福」の象徴とされ、「安全」や同社のコーポレートカラーを意味するグリーンを組み合わせたという

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