Facebook、新ターゲティング広告の効果と安全性を説明

Facebookが「Facebook Exchange」と米マーケティング企業Datalogixとの提携による新マーケティングツールについて、その効果と安全性の両面を広告主とユーザーに説明した。

» 2012年10月02日 10時04分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Facebookは10月1日(現地時間)、先日一般公開した「Facebook Exchange」や米Datalogixとの提携による新ツールについて、ユーザーと広告主に向けて別々の公式ブログで説明した。ユーザー向けブログではプライバシーについてが、広告主向けブログではその効果についてが説明の中心になっている。

 ユーザー向けブログでは、Facebookのサービスを無料で提供し続けるためには広告掲載が必要であり、その広告をユーザーにとって有用なものにするためにさまざまな取り組みを行っていると説明。すべての取り組みではユーザーのプライバシーを第一に考えており、安全であると強調している。

「プライバシー第一」を強調──ユーザー向けの説明

 例えば、Facebook ExchangeはFacebookユーザーが外部のWebサイトを訪問した際にcookieを設定し、そのユーザーのネットでの行動履歴に基づく広告をFacebook上に表示するというものだが、外部サイトにFacebookアカウントのデータを渡すわけではなく、また、ユーザーはいつでも特定の広告主からの広告をオプトアウトできるという。

 また、広告主がFacebook上で効果的な広告キャンペーンを展開できるように、広告主とFacebookが互いのユーザーデータを共有するが、ここで共有するユーザーデータはハッシュ関数で暗号化されており、安全だとしている。この機能により、例えば外部のオンラインショップは、既に自分のサイトで商品を購入してくれた顧客にターゲティングしたキャンペーンをFacebook上で実施できるようになる。

 さらに、小売店から収集した消費者購入データをまとめるマーケティング企業の米Datalogixとの提携についても、この提携で広告主に従来より精度の高い情報を提供できるようになり、結果的にユーザーに有益な広告を提供できると説明した。Datalogixと共有するユーザーデータもハッシュ関数で暗号化されたものであり、DatalogixはFacebookのデータからユーザープロフィールを特定できないし、FacebookはDatalogixのデータからユーザーが何を購入したかを解析できないという。

「クリックだけが広告効果ではない」──Datalogixのデータが証明

 一方、Facebookが最近広告主向けに開設したポータルサイトFacebook Studioの公式ブログでは、「従来、デジタル広告ではクリック数が重視されてきているが、広範なマーケティング目標の設定にはクリック数は必ずしも最適な指標にはならない」として、Datalogixとの提携で新たに提供するツールによる調査結果を紹介した。

 このツールは、Facebook上に表示したブランド広告とそのブランドの商品の実際の購入の関係を分析するものだ。このツールで実際の50件の広告キャンペーンについて調査したところ、Facebook広告から生成された購買行動の99%は、Facebook広告を見たがクリックをしなかったユーザーによるものだったという。

 Facebookは、こうしたコンセプトはテレビCMの世界ではなじみ深いものだが、オンライン広告ではこれまで証明できなかったことだと説明。今回の調査から、オンライン広告は広告主に平均で70%高いROI(投資収益率)をもたらすとFacebookはみている。

 Datalogixの新ツールでは広告ごとに最適な露出頻度を設定することなどが可能で、広告主はFacebook上でさらに効果的な広告キャンペーンを実施できるとしている。

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