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» 2012年10月15日 10時00分 UPDATE

キャラクタービジネスを支える:サンリオが実現した「誰でもバックアップ」体制とは システム刷新の舞台裏

キャラクタービジネスをグローバルに展開するサンリオは、業務システムを効率化すべく早期からサーバ仮想化に取り組む一方で、煩雑なバックアップ運用に悩むことになった。担当者がいないと分からない、属人的だったバックアップ運用からどう脱却したか――その舞台裏を紹介しよう。

[PR/ITmedia]
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 誰からも愛されるキャラクターの創出、それを生かしたギフト商品の開発・販売、テーマパークの運営――この3つを柱に事業を展開しているのがサンリオだ。同社が世に送り出してきたキャラクターはいまや海外でも大きな支持を集め、ライセンス事業の売り上げは2012年3月期に過去最高の189億円に達している。

 こうした成長の下支えになっているのが、従業員が日々の業務で利用しているITシステムだ。同社はIT資産の利用率向上とシステム開発の生産性向上を目指し、2005年という比較的早い時期からサーバの仮想化に取り組んできた。社内のWindowsサーバのほか、数年前には外部データセンターの仮想化にも取り組み、今では業務システム全体の約7割が仮想化基盤上で稼働しているという。

 一方、仮想化を進める上で課題になったのがデータのバックアップ運用だ。データは企業にとって重要な経営資産であり、事業継続性を確保するためにバックアップは欠かせない。同社もバックアップ環境を整備してはいたものの、システムごとに異なるバックアップ製品を導入していたため、バックアップ作業の煩雑化に苦慮していたという。

 このような状況を変えたのは、仮想化基盤の刷新に伴うバックアップ環境の全面的な見直しだった。同社が採用したのは、CA Technologiesのイメージバックアップ製品「CA ARCserve D2D」(以下、D2D)および仮想化環境専用オプションの「CA ARCserve Central Host-Based VM Backup」だ。採用の決め手とその背景を、システム提案・導入を支援した富士通マーケティングの担当者に聞いた。

誰でもバックアップできる環境へ、3つの要望

 サンリオの従来のバックアップ環境では、担当者が変わるたびにツールの使い方を改めて学ぶことが求められていたため、スキルやノウハウが蓄積されにくい状況だった。また、ツールが異なることで担当者の不在時にはスムーズなリストアができず、非常時のシステム復旧を妨げる潜在的なリスクになっていたという。

 「ベンダーの提案や担当者の判断で、業務システムごとに異なるバックアップ製品を導入し、サーバ仮想化後も同じ製品を使い続けていました。しかし、バックアップツールが異なれば操作手順も違うため、バックアップ業務の運用工数が肥大化していました」と、サンリオ 情報システム部IT推進課の大畑正利氏は振り返る。

 こうした中、同社に転機が訪れたのは2010年のこと。2005年から使い続けてきた仮想化環境の刷新に併せて、バックアップ環境も見直すことを決定したのだ。見直しに当たってシステム構築支援を要請したのは、同社の仮想化環境の開発に長く携わり、今回の仮想化環境の刷新も手がける富士通マーケティングだった。

 サンリオが富士通マーケティングに提示した要望は大きく3つ。まず1つ目が「業務フローの統一」である。「運用工数を削減する上では業務フローの統一が欠かせません。システムごとに使い分けていたツールを一本化するとともに、今後の運用を見据えて当社としての標準バックアップ手法を確立させたいと考えました」(大畑氏)

 2つ目は「使い勝手の良いバックアップツールの採用」だ。属人性を排除し、誰でもバックアップ作業を行える環境を実現するには、分かりやすいツールが求められる。また、簡単なツールを採用すれば、システムごとのバックアップ作業負担を平準化でき、リスク管理も高度化できると考えたのだ。

 3つ目は「リストアの簡便性向上」である。同社がそれまで利用してきたツールの中には、全てのバックアップイメージを読み取らないとリストア作業を行えないものもあり、1つのファイルをリストアするだけで約6時間かかる場合もあったという。従業員からのファイルの復旧要請に迅速に対応し、業務効率の底上げを図るため、ファイル単位でのリストアへの対応は必須だった。

ゲストOSが増えても新たな負担増は一切なし

 サンリオのシステム全体を見ると、物理環境上で稼働しているシステムも存在する。そこで富士通マーケティングが提案したのが、(1)物理環境で利用しているバックアップ製品を使って仮想化基盤も管理する、(2)仮想化基盤に特化したバックアップ製品として、D2DとARCserve Central Host-Based VM Backupを採用する――という2つの方法だ。

photo 富士通マーケティングの大場康弘氏

 (2)において、D2Dに注目した理由の1つはコストだ。「新たな仮想基盤は従来と比べてはるかに規模が大きく、導入後に利用を拡大する方針であることは簡単に予測できました。そうするとゲストOSも必然的に増加していますが、D2Dならホストサーバ単位でのライセンス体系を採用しているので、ゲストOSが増えても追加のコスト負担が一切生じません。またお客様にとってもライセンス増加に伴う社内承認を取っていただくなど、面倒な作業がいらないメリットもありました」と、富士通マーケティング システム本部 第二ICTソリューション統括部 第二サポート部の大場康弘氏は説明する。

 “エージェントレス方式”であることも評価されたという。サンリオはシステム環境を最適化すべく、ゲストOSを物理サーバ間で頻繁に移動している。一般的なバックアップ製品の場合、ゲストOSの移動のたびにエージェントの削除や追加、バックアップ設定などの作業が発生するが、エージェントレスで導入できるD2Dならこうした手間がかからないメリットがあった。

 また、バックアップポリシーを事前に設定してさえいれば、ウィザードに従って操作画面を数回クリックするだけで、ゲストOSにバックアップポリシーを簡単に適用してバックアップを開始できる操作性と、個々のファイルやフォルダ単位でリストアできる機能面の高さも、サンリオの要求を満たすと考えられた。

photo 富士通マーケティングの相澤壮氏

 一方、同社が両製品を提案するに当たっては不安も残されていたという。「2011年当時、D2Dはリリースされたばかりで国内の導入事例がなかったことから、導入後の安定性に関する不安を完全にぬぐい去ることはできませんでした」と、富士通マーケティング 流通・サービス営業本部 情報・サービス統括営業部 情報営業部の相澤壮氏は振り返る。

 しかし、そこで提案の追い風となったのが富士通マーケティングとCA Technologiesとの緊密な協力体制だった。富士通マーケティングは事前の打ち合わせを通じ、CA Technologiesからの技術支援およびサンリオに対するサポート協力を得ることができたという。

 サンリオは、仮想環境に最適なバックアップを実現できることを期待し、最終的にD2DとARCserve Central Host-Based VM Backupを使ってバックアップ環境を構築する手法を選択、2011年10月に導入作業に着手した。なお両製品が稼働するサーバには、ゲストOSの増加に伴う将来的なハードディスクやメモリの増設を想定し、高い拡張性を備えた富士通の「PRIMERGY RX300 S6」が採用されている。

新バックアップ環境で作業時間が6分の1に

 導入作業では、まず富士通マーケティングが仮想基盤とバックアップ基盤の両方を構築して動作確認を実施。その後サンリオが改めて動作確認を行い、既存の情報系システムを新環境に移行する手順を約2カ月かけて行った。

 バックアップ環境を刷新した成果は既に出始めているという。まず挙げられるのが、バックアップ業務の大幅な効率化だ。D2Dでは、ゲストOSに対してバックアップポリシーを一元的に適用できる。その結果、バックアップを開始するまでの時間が約5分と、従来の約30分から6分の1に短縮された。また、ゲストOSのバックアップ状況を操作画面上で視覚的に把握できるため、日々の確認作業も約20分から約5分に短縮できたという。

 また、バックアップ操作自体が簡単になったことに加え、富士通マーケティングによる手順書も用意されている。これによりサンリオは、万一の際はIT推進課のスタッフ全員がリカバリ作業を実施できるようになったという。

 「ツールの使い勝手の良さから、われわれの負担が大幅に軽減されました。また、運用手順書が作成されたことで、引継ぎも円滑に行えるようになったこともわれわれにとって大きなメリットです。機能面も極めて高く、例えばファイル単位のリカバリもWindowsエクスプローラの画面からPC感覚で簡単に行えます。つまり、ユーザーの要求にそれだけ迅速に応えられるわけです」と大畑氏。

 新たな仮想化環境では現在、ユーザー認証システムやDNSサーバなどに加え、業務系システムも一部稼働しており、D2Dはポリシーに従って日時ベースで2世代分のバックアップデータを自動取得している。D2Dでは最初にフルバックアップを最初に行えば、以降は変更されたブロックのみを増分バックアップするだけで運用できるため、ストレージ容量の節約というメリットもあるという。

 「データのバックアップに関するサンリオ様の危機感は、打ち合わせを通じて痛いほど理解できました。その状況を打開するためにわれわれが着目したのは、お客様の要件に最も合致したD2Dでした。メーカーの協力を得られたことで、構築作業もスムーズに進められています」と大場氏は話す。

 「仮想化基盤の構築のみならず、バックアップの面からもサンリオ様の仮想化環境の活用を支援できていると思います」と大場氏。富士通マーケティングは今後もメーカーと協力して新しい製品を取り入れながら、顧客企業のビジネス環境に合わせたバックアップシステムを提案していく考えだ。


 システムごとに異なるバックアップ環境の運用は、IT部門の負担になるだけでなく、非常時に備えるというバックアップ本来の目的を阻害しがちだ。バックアップやリストアの作業を効率化し、万一のデータ消失時には迅速に復旧したいと考える企業にとって、D2Dの採用は1つの有効な選択肢となりそうだ。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2012年11月14日