米Yahoo!決算、Alibaba株売却で純利益が約10倍に 広告事業も堅調

米Yahoo!の7〜9月期決算は、Alibaba株の売り戻しで獲得した76億ドルを除いても堅調で、純利益はアナリスト予測を大きく上回った。記者会見デビューとなるマリッサ・メイヤーCEOは「Yahoo!のCEOは私に最適の仕事」と語った。

» 2012年10月23日 09時14分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Yahoo!が10月22日(現地時間)に発表した2012年第3四半期(7〜9月期)決算は、売上高は前年同期比1%減の12億200万ドル、トラフィック獲得コスト(TAC)などを除く売上高は2%増の10億8900万ドル。中国Alibaba株の売り戻しで76億ドルを獲得したこともあり、純利益は約10.8倍の31億6000万ドル(1株当たり2ドル64セント、株式の売却益の影響を除いた非GAAPベースでは67%増の35セント)だった。主力事業である広告も堅調で、売上高と非GAAPベースの1株当たり純利益はアナリスト予測(10億8000万ドル/26セント)を上回った。

 7月に同社CEOに就任したマリッサ・メイヤー氏は「検索およびディスプレイ広告の堅調さに勇気付けられた。われわれは、Yahoo!の長期的な成功に向けて重要な段階にある」と語った。

 TACを除く検索広告の売上高は11%増の4億1000万ドル、ディスプレイ広告の売上高は横ばいの4億5000万ドルだった。アフィリエイトサイトの広告を含むその他の収入は10%減の2億2000万ドルとなった。

 15日から産休明けでフルタイム勤務に復帰したメイヤーCEOは、初めて参加した業績発表後の電話会見の冒頭で、「検索、メール、広告、モバイルなどに長年取り組んできた私にとって、Yahoo!のCEOという仕事はぴったり(tailored for me)だ」と語った。また、同社の最優先事項はモバイル戦略の確立だとした。同氏はYahoo!のCEOに就任する直前まで、米Googleで13年にわたって検索や地域情報を手掛けた。

 前回同様、今後の見通しについての発表は見送られた。

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