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» 2012年11月07日 14時35分 UPDATE

NEC、顔認識技術を活用したデータ分析クラウドサービスを提供へ

ビッグデータを分析する3種類のサービスをNECが来年春までに順次開始する。ビッグデータを蓄積するクラウドサービスは多いが、分析機能を提供するサービスは国内初だという。

[國谷武史,ITmedia]

 NECは11月7日、顔認識技術などを活用したビッグデータ分析のクラウドサービスを発表した。来店客の属性分析からマーケティングを支援する小売店舗向けサービスを同日から開始したほか、不審者監視や自動車向け情報提供サービスも来年春までに順次開始する。

tknec001.jpg 会見した保坂岳深 執行役員

 今回発表したビッグデータ分析サービスは、「顔認証技術活用マーケティングサービス」「不審者監視セキュリティサービス」「テレマティクスサービス」の3種類。会見した執行役員の保坂岳深氏は、「ビッグデータ自体を分析するクラウドサービスは国内初」と説明した。

 顔認証技術活用マーケティングサービスと不審者監視セキュリティサービスは、同社が強みとする画像認識技術を利用するという。マーケティングサービスでは店舗に設置したカメラで来店客を撮影し、同社のデータセンターで画像データから性別や年齢を推定する。データを蓄積することで来店客の動向やリピート率を把握できるという。

tknec002.jpgtknec003.jpg 来店者属性を撮影画からクラウドで解析。例えばPOSデータと突き合わせて、購買率の高い時間帯と低い時間帯の顧客属性を分析する。デモでは購買率の低い時間帯に10代の来店が目立ち、若者向けのプロモーションを実施して購買率を高めるマーケティング施策を打つというシナリオが披露された

 また、セキュリティサービスでは事前に不審者の画像を登録しておくと、カメラで撮影した人物の画像と突き合わせて該当者を発見するとユーザーに通知する。例えば、店舗などの場合は万引き常習者を発見すると、直ちに巡回中の警備員が所持する端末に通知して、不審な行動を取らないか監視できるようになる。

tknec004.jpgtknec005.jpg セキュリティサービスのデモ。不審者の登録画像とカメラ画像を照合して、すぐに警告を発する

 一方、テレマティクスサービスでは車両の位置情報や状態情報などを使って自動車に情報を配信する。マーケティング利用の場合は走行中の近隣の店舗から電子クーポンを配信する、保守などの場合は車両に不具合の兆候がみられるとドライバーに点検を呼び掛けるといったことができる。

 セキュリティサービスは2013年1月に、テレマティクスサービスは同年3月に開始する予定。利用料金はマーケティングサービスが1店舗当たり月額7万円から、セキュリティサービスとテレマティクスサービスは個別見積り。別途、通信回線や初期費用などが必要になる。

 新サービスと併せて同社が7月から提供している「ビッグデータディスカバリープログラム」の強化も発表した。同サービスは、既にデータを保有しているが具体的にどう分析・活用すれば検討したいという企業に、同社がデータ分析手法や活用方法などをアドバイスするというもの。これまでは検証期間に3カ月ほどかかっていたが、これを最大で1カ月半程度に短縮し、顧客対応を迅速化する。

 ビッグデータ分析のクラウドサービスは、今後も提供内容を拡充する予定で、保坂氏によれば個別対応や自社環境で分析したいという顧客企業への対応も検討しているという。

多数の分析エンジンを備える

 ビッグデータ関連のサービスは、多種・大量のデータをセンサネットワークなどから収集・蓄積したり、Hadoopを使った分散処理を行ったりするものが多数提供されている。競合他社との違いについて保坂氏は、多数のデータ分析エンジンをクラウドサービスに実装している点に特徴があるとした。

 上述の画像認識のほか、平時とは異なる兆候を自動検知する「インバリアント分析」や行動分析、異なるパターンや規則を発見する「異種混合学習」、複数の文章に同義が含まれるかを認識する「テキスト含意認識」といったエンジン群の開発で、新サービスが可能になったという。

 同社は2月にビッグデータ関連事業への本格参入を表明。競合他社よりも後発にあたるが、保坂氏によれば既に100件以上の商談が進行中で、13件の実証実験も行っている。高速道路のセンサ情報を交通管制に利用する中日本高速道路のような採用事例も出始めたとのことだ。

 ビッグデータに対する企業の活用ニーズは、マーケティングとリスク管理、運用・保守の3つが大半を占めているという。だがビッグデータを活用するには、データ収集・蓄積・分散処理、分析の基盤を自社で構築する場合に長い時間や多大なコストが必要になる。これらニーズをいち早く獲得する狙いから、データ分析をクラウドサービスで提供することになったとしている。

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