CiscoとEMC、VMwareが出資する米VCE、日本市場に参入表明

VCEがネットワールドおよびネットワンパートナーズと販売提携を結び、クラウド基盤ソリューション「Vblock」の国内販売を本格化させる。

» 2012年11月08日 18時10分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 Cisco SystemsやEMC、VMwareが出資する米VCE Companyは11月8日、ネットワールドおよびネットワンパートナーズと「バリューアッド・ディストリビュータ(付加価値再販事業者」契約を結んだと発表した。クラウド基盤ソリューション製品「Vblock」の国内販売を本格化させる。

 VCE Companyは、Cisco SystemsやEMC、VMwareの合弁会社として設立。3社は2009年11月に「Virtual Computing Environment(VCE)」という、プライベートクラウドの基盤ソリューションを展開する施策を発表しており、VCE Companyがこのビジネスを手掛ける。具体的にはCiscoのUCSサーバやNexusスイッチ、EMCのストレージ、VMwareの仮想化技術によるパッケージ「Vblock」の開発や製造、アプリケーションとの連携支援、ユーザー企業への導入支援や運用支援を提供している。

Vblockの概要と連携する運用管理ツールの例(右)

 記者会見したVCE Companyのプラビーン・アッキラージュCEOは、「本格的なクラウド時代の到来でITインフラの統合化が強く求められている。Vblockは過去3年間で500社以上の企業や組織に導入され、Fortune 500企業での採用も多い。当社も十分な経験を積んでおり、3社のベストオブリードを組み合わせたソリューションを日本の企業に提供していく」と表明した。

 これまでVblockの国内でのビジネスは、主に3社の日本法人や共同パートナー各社が手掛けており、東京電機大学鳥取県情報センターソフトバンクテレコムなどに採用された実績がある。VCE Companyのビジネスは主に米国市場が中心だったが、ネットワールドやネットワンパートナーズとの新たな契約締結によって日本でのビジネスを加速させたい考えだという。

 VCE Company 日本・アジア太平洋地区担当副社長のポール・ハラピン氏は、「ユーザー企業が当社のパートナーにVblockを発注するとすぐに製造へ取り掛かり、40〜50日程度で納品する。製品はユーザーの希望に基づく仕様の検証済みの構成となる。かつてのように調達から検証、運用開始までに数カ月を要するようなことはない」と説明した。

VCE Companyには約700人のシステムエンジニアが在席し、SAPやMicrosoftなどのアプリケーションとVblockの連携開発・検証を実施しているという

 今回の契約締結に併せてVCE Companyは日本法人も設立。当面の間日本法人を指揮する新規事業開発担当 マネージングディレクターのアンソニー・エルベイ氏は、「日本語による24時間体制のサポート対応やグローバルサポートメニューなども提供する」と語った。

 契約締結についてネットワールドの森田晶一社長は、「3社の技術がベースながらVCE Companyは独立メーカーとして、しっかりとした事業を展開しているとの印象を受けた。新しいソリューションに期待している」と表明。ネットワンパートナーズの齋藤普吾社長は、「東京電機大学での導入を支援したが、導入からわずか4日で本格稼働できたことが非常に印象的だった」と述べた。

契約締結を発表した齋藤氏、アッキラージュ氏、森田氏、ハラピン氏(左から)

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