NokiaがiOS 6のマップに代わり得る地図アプリ「HERE」を間もなくApp Storeで公開する。日本の地図はまだ利用できるレベルではないが、世界的に見ればNokiaが地図市場でのシェアを拡大する大きなチャンスといえる。
フィンランドNokiaは11月13日(現地時間)、地図サービスの新ブランド「HERE」を発表した。提携している米MicrosoftのWindows Phoneだけでなく、米AppleのiOS、米GoogleのAndroid向けにも無料地図アプリもリリースする。iOSアプリは既にApp Storeに登録しており、承認待ちという。
HEREは、クラウド上にHTML5で構築した地図データにWebブラウザや各種プラットフォームからアクセスして使う地図サービス。NokiaはHEREを“初のロケーションクラウド”と説明する。
Nokiaは20年以上にわたって地図サービスに取り組んでおり、欧州・米国の地図はかなり充実している(日本のデータはまだ主要な地名が表示される程度)。iOS 6のマップアプリに問題があり、Google MapsのiOSアプリがリリースされるかどうか不明な現在、HEREはNokiaがマップ市場でのシェアを伸ばす大きなチャンスになりそうだ。
Webブラウザからは既に利用できる。Google Maps同様に地名の検索、自動車・徒歩・公共機関による行き先案内、衛星写真地図、3D表示、ストリートビューのような表示が可能で、表示した地図情報を端末に転送する機能なども備える。
同社はまた、Mozillaと提携し、来年「Firefox OS」向けにWebアプリ版のHERE Mapsを提供することも発表した。
さらに、Android開発者向けにHEREのデータを利用するアプリを開発するためのSDKを2013年初頭に提供する計画も発表した。
同社はHEREの3Dマップの充実を目指し、写真計測技術を利用した3Dデータを手掛ける米earthmineを買収する。買収総額などの詳細は公表していない。取引は年内完了の見込みだ。
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