SaaS型セキュリティソフト市場、上位はシマンテック、マカフィー、トレンドマイクロ

IDC Japanは、2011年の国内SaaS型セキュリティソフトウェア市場のベンダー競合分析の結果を発表した。

» 2012年12月05日 17時44分 公開
[ITmedia]

 IT調査会社のIDC Japan12月5日、2011年の国内SaaS型セキュリティソフトウェア市場のベンダー競合分析の結果を発表した。「アイデンティティ/アクセス管理」「セキュアコンテンツ/脅威管理」「セキュリティ/脆弱性管理」の3つの機能に分類して、主要なベンダーのポジショニングやビジネス動向、各機能別市場の寡占化状況などを調べた。

 2011年の同市場の規模は、前年比19.9%増の72億円で、機能別の売上額構成比率ではセキュアコンテンツ/脅威管理市場が54.6%と最も高く、これに次ぐのがアイデンティティ/アクセス管理市場の41.3%だった。標的型攻撃によるウイルス対策ソフトウェアの定義ファイルやパッチの更新管理の重要性の高まり、クラウドサービス利用拡大による認証の標準化/連携、災害時の事業継続性への対応などからニーズが高まっているという。2011年〜2016年の年間平均成長率は15.5%で、2016年には148億円に拡大すると予測する。

 市場の上位3社はシマンテック、マカフィー、トレンドマイクロだった。機能別で上位を占めたるのは、アイデンティティ/アクセス管理市場ではシマンテック、セーフネット、サイバートラスト、セキュアコンテンツ/脅威管理市場ではマカフィー、シマンテック、トレンドマイクロ、セキュリティ/脆弱性管理市場では日立、クォリス、IBMとなった。

 機能別市場の上位3社による占有率は、アイデンティティ/アクセス管理市場では82.3%、セキュアコンテンツ/脅威管理市場では88.3%、セキュリティ/脆弱では性管理市場58.5%。セキュアコンテンツ/脅威管理市場は、寡占化率が最も高く、新規参入障壁が高いという。一方、セキュリティ/脆弱性管理市場では寡占化率は低く、他の2つの市場と比べ新規参入しやすい環境にあるとみている。

 市場は成長段階であり、参入しているベンダーも限定的で、ソリューションも自社構築/運用のオンプレミス型ソリューションに比べてまだ少数という。「ベンダーは中堅・中小企業から大企業までカバーできる拡張性のあるSaaS型セキュリティソリューションを提供する必要がある」とソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの登坂恒夫氏は述べている。

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