Instagram、利用規約改定について説明「あなたの写真を売ることはありません」

Instagramが、17日に発表した利用規約改定の発表が、さまざまな誤解を招いたとして再度改定内容について説明した。

» 2012年12月19日 09時19分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Instagramは12月18日(現地時間)、前日発表したプライバシーポリシーと利用規約の改定に対するユーザーからのフィードバックを受け、内容について説明した。

 新利用規約案の「ユーザーは、われわれ(関連会社を含むInstagram)がユーザーに対価を支払うことなく、プロモーションや広告コンテンツにユーザーの名前、リンク、いいね!、メタデータ付きの写真を表示するために企業(a business)から使用料を受け取ることに同意する」という条項について紹介したメディアの記事などを読んだユーザーが「Instagramがユーザーに無断でストックフォト企業に写真を販売する」などと拡大解釈してツイートするなど、ユーザーの間でパニックが広がっていた。

 Instagramはまず、ユーザーの写真を勝手に企業に販売することはないとし、利用規約の表現が分かりにくく、誤解を招いたことについて謝罪した。誤解を招いた部分(上記の条項を含む)については、利用規約の表現を修正するという。

 実際には、例えばある企業がInstagram内でのフォロワー数を増やす目的で自社のアカウントのプロモーションをしたい場合、潜在フォロワーのフィードに自社コンテンツを表示する際にコンテンツに「○○さんがこのブランドにいいね!しています」と、その潜在フォロワーの友達の名前を表示できるようにするため、ユーザーの「いいね!」データをInstagramがその企業に販売する。

 また、ユーザーの写真が広告の一部になったり加工して流用されるのではないかという懸念が広がったが、そうではないという。そのような計画はまったくないので、誤解を招いた部分(「ユーザーは、われわれが必ずしもスポンサー企業の費用負担によるコンテンツをそうことわらずに表示することを受け入れる」という個所か?)は規約から削除するとしている。ユーザー体験を損なうような広告バーナーを表示するのではなく「ユーザーが新たに興味のあるアカウントやコンテンツを発見するのを助ける意義のある方法を構築したい」と説明した。この説明では具体的な方法は分からないが、例えばレストランチェーンが、そのレストランの関連タグのついた写真データをInstagramから購入し、加工せずにコメントを付けて再紹介することなどが考えられる。

 さらに、ユーザーコンテンツの所有権はユーザーにあり、Instagramはユーザーの写真の所有権を主張することはないこと、誰に自分のコンテンツやプロフィールを表示するかのプライバシー設定に変更はないことを再度説明した。

 Instagramがプライバシーポリシーと利用規約を改定の1カ月前に発表したのは、今回のようなフィードバックを得るのが目的であり、フィードバックを受けて条項の表現を変更していく計画という。新規約は2013年1月16日施行の予定。

 今回の規約改定は、親会社である米Facebookの規約改定でInstagramのユーザーデータをFacebookが共有できるようになったことを受けたものだ。InstagramにもFacebookのスポンサー記事のような投稿が表示されるようになることはあっても、自分の写真が知らないうちに加工されて広告用写真になるということはない。

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