日本HP、ビッグデータ利用と容量単価にこだわるストレージサーバを発表

1U当たり40テラバイト超の容量を可能にしたという「HP ProLiant SL 4500」3モデルをリリースした。

» 2012年12月20日 19時10分 公開
[ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカードは12月20日、ストレージサーバの新製品「HP ProLiant SL 4500 サーバーシリーズ」を発表した。アーカイブからビッグデータ分析まで、膨大な量のデータを活用するための基盤製品として展開する。

 HP ProLiant SL 4500 サーバシリーズは、大規模拡張性と容量単価を追求した新たなコンセプトの製品という。記者会見したサーバー&ネットワーク製品統括本部 インダストリースタンダードサーバー&ネットワーク製品本部の宮本義敬本部長は、「企業で取り扱う構造化、非構造化データが爆発的に増えつつある今、企業ではできるだけ多くのデータを蓄積したいというニーズが強まっている」と説明。特にクラウドサービスでのストレージ利用やビッグデータ分析での重要が高まっている。

 こうした需要に、これまでは汎用のサーバやストレージの組み合わせ対処するケースが多かったものの、「汎用製品でもこれらの用途にはオーバースペックだったり、容量や拡張性、コスト効率の点でも十分に対応できなかったりという課題があった」(宮本氏)という。

 新製品では具体的に、アーカイブや大容量NAS向け、メールやNoSQL向け、ビッグデータ分析基盤向けに、3モデルをラインアップする。ハードウェアはSL 4540 Gen8サーバと高密度実装した大量のHDDで構成され、用途に応じてサーバが1〜3ノード、ディスク容量が45〜180テラバイトになる。同製品を追加導入することでリソースや性能を拡張できるスケールアウトに対応している。

HP ProLiant SL 4500 サーバシリーズ(右)。サーバやHDD、電源部などはモジュール化され、ホットスワップ仕様となる。また障害の予兆を検知してデータを事前に保護する新機能も採用。3モデルのうちビッグデータ分析基盤向けのモデルは2013年春に発売する予定

 インダストリースタンダードサーバー製品企画部の中井大士部長は、「ユーザーは大容量ストレージをとにかく安価に手にしたいと希望しており、新製品は容量とコストにこだわった」と話す。同氏によれば、アーカイブや大容量NAS向けのモデルでは1Uあたり41.5テラバイト容量を確保した。1Gバイトあたりの単価は、従来型ソリューションでは217円だったが、新製品では約6分の1の39円に引き下げたという。

1Gバイトあたりの単価(右)と容量の違い

 また、大量データの格納やビッグデータ分析などで新製品の活用を支援するため、ソフトウェアベンダーとの協業も推進する。記者会見ではHadoopディストリビューターのCloudera(クラウデラ)、ストレージソフトに参入したレッドハット、NoSQLデータベースソフト「COUCHBASE」を国内展開するSCSKとの協業を発表した。

 日本HPでは本社(東京都江東区)に、新製品と協業パートナーとのソリューションを検証する「ハイパースケールラボ(仮称)」を2013年1月から稼働させる予定だとしている。

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