「Lotus」に幕引き、ソーシャルへさらに大きく舵を切るIBMIBM Connect 2013 Orlando Report(3/3 ページ)

» 2013年01月29日 12時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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 Lotusの祭典として20回を数えた伝統のカンファレンスも今年は大きく様変わりしたが、Notes/Dominoの新バージョンが忘れられたわけではない。既にβ版が公開されているために驚きはないが、Project Vulcanのビジョンが具現化された「IBM Notes/Domino 9 Social Edition」はいよいよ3月に正式リリースされる。

 5年ぶりのメジャーリリースとなる新バージョンは、SAPのような基幹業務からTwitterやFacebookに至るまで、Activity StreamsやOpenSocialの標準技術に対応していれば、それらの「通知」をNotesクライアントに集約して表示できるほか、プレビュー画面でコメントや編集、ワークフローの承認などが可能な「統合デスクトップ」へと進化している。もちろん、つぶやきやソーシャル型ファイル共有などConnectionsの一部機能を取り込み、統合も進んだ。

さらに第3のコンピューティングへ

ソフトウェアソリューションを統括するローディン上級副社長

 「Lotus」が製品名からも消えたことを残念がる声も聞かれるが、既にLotus Notesが世に出てから四半世紀が過ぎようとしている。「トランザクション」や「記録」が中心だった情報システムは、ご存じのようにビッグデータとアナリティクスによって大きく様変わりしようとしている。

 「機械式計算機、プログラム可能なコンピュータに次ぐ第3のコンピューティングは、人の言葉を理解し、ある事象が起こる確率をはじき出すことで、企業のフロントオフィスを劇的に変えるはずだ」と話すのはマイク・ローディン上級副社長。2005年から2008年までLotus部門を率いていた彼は現在、Smarter Analytics やSmarter Commerce、Social Business、Smarter Citiesなど、付加価値の高いソフトウェアソリューションを統括する。

 ローディン氏が統括するソリューション群の背後にある共通のアイデアは、瞬く間に生み出される膨大かつ多種多様、そして不確実さの入り混じった、いわゆるビッグデータから「パターン」を見つけ、将来を予測することだ。次第に企業成長の源泉が「人」に依存するようになる中、企業のほとんどすべての活動は、ソーシャルソフトウェアによって大きく改善でき、さらにアナリティクスによって劇的に変革し得るだろう。「文書」を中心とした時代が終わり、Lotusの名称はその役割を終えたのかもしれない。

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