中規模企業も視野に 日本IBMがPureSystemsの新モデルを発表

日本IBMは、アプリケーションプラットフォームやデータアプライアンスなどから成るシステム統合基盤シリーズ「PureSystems」に新たな製品ラインアップを追加した。

» 2013年02月14日 15時45分 公開
[伏見学,ITmedia]

 日本IBMは2月14日、統合システム基盤「IBM PureSystems」シリーズの新製品を発表した。主に中規模の顧客層に向けたエントリーモデルのクラウドシステムや、高度なデータ分析を実現するハイエンドモデルのアプライアンスなどを提供していく。

 PureSystemsは、IBMが提唱する「エキスパート・インテグレーテッド・システム」というコンセプトを体現した製品群で、ハードウェアやソフトウェアなどのコンピューティング資源と、“パターン”と呼ばれる専門家の知見やスキルを統合したものである。製品ラインアップとして、IaaS基盤の「PureFlex System」、アプリケーションプラットフォームの「PureApplication System」、データプラットフォームの「PureData System」をそろえる。

日本IBM 理事 ソフトウェア事業 WebSphere事業部 事業部長の三戸篤氏 日本IBM 理事 ソフトウェア事業 WebSphere事業部 事業部長の三戸篤氏

 PureApplication Systemについては、今回新たに32コアおよび64コアのプロセッサを搭載する「PureApplication System W1500」のエントリーモデルと、最新プロセッサ「Power7+」を搭載する「PureApplication System W1700」を発表。前者は、現行モデルと同等の機能を持つほか、25U(高さ126.7センチ)のスモールラックと1層交流電源を採用するなどして消費電力を従来と比べて30%削減した。後者は、1プロセッサコア当たり最大20台の仮想サーバを稼働できる集約率の高さが特徴だという。「昨年4月にPureSystemsを発表して以降、顧客から多くの意見をいただいた。そうした中でのニーズに応えるべく、より柔軟にラインアップを広げた」と日本IBM 専務執行役員 ソフトウェア事業担当のヴィヴェック・マハジャン氏は製品拡充の狙いを語る。

 同社 理事でソフトウェア事業 WebSphere事業部 事業部長を務める三戸篤氏も「従来は96コアという大きなマシンが最小モデルだったため、PureApplicationのコンセプトに共感しても導入できなかった企業が少なくなかった。今後はスモールスタートなど顧客の要件に応じた活用が可能になる」と述べる。

 こうした製品の拡充に併せて、提供するパターンの種類も増やしていく。現在、IBMでは25種類のアプリケーションパターンを用意し、今後新たにモバイル開発および実行基盤「IBM Worklight」や資産および施設管理ソリューション「Maximo Asset Management」のパターンを開発する予定だ。また、パートナーであるISV(独立系ソフトウェア会社)のパターンに関しては、現在世界で311社、376ソリューション、日本では17社、23ソリューションが提供されている。

 PureData Systemの新モデルとしては、Netezzaのテクノロジーを活用したデータアプライアンス「PureData System for Analytics」のハイエンドモデル「N2001」が発表された。従来モデルと比べて分析クエリのパフォーマンスが約3倍向上し、1秒当たり128ギガバイトのデータ転送を実現するほか、データの運用効率化を図ったことでラック当たりのユーザーデータ量が50%アップしたという。

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