昨年春にデビューしたPureSystemsの第1弾、IaaS基盤の「PureFlex System」は、前回の「メインフレーム譲りの包容力と仮想化のベストプラクティスが自慢のPureSystems」で触れたとおり、Power7とx86の仮想マシンや、仮想化されたストレージ、仮想化されたネットワークなど、これまでならばらばらのツールで管理しなければならなかった資源を一元的に管理できるようパッケージ化した。IBMが培ってきた、いわば「仮想化環境のベストプラクティス」が盛り込まれた基盤製品だ。
一方、PureFlex Systemと同時に発表されたもうひとつの「PureApplication System」は、仮想化環境のベストプラクティスに加え、さらに「アプリケーション実行環境のベストプラクティス」も盛り込んだものだ。アプリケーションサーバやデータベースといったミドルウェアはもちろん、アプリケーションまで含めた最適構成情報が「パターン」として組み込まれたことで、PureApplication Systemは、単なるハードウェアとソフトウェアの抱き合わせとは一線を画している。
PureApplication Systemの最大の特徴であるパターンは、これまで専門家が1台ずつ個別に最適構成を組み上げてきた作業を自動化してくれるほか、運用のノウハウも組み込まれているため、ポシリーをパラメーター設定してやることで、自律的にサービスレベルを維持してくれる。さらにこのパターンを利用し、プライベートクラウドからIBMのクラウドサービスへ移行したり、また、その逆も迅速に行えるなど、企業の情報システムを劇的に変える可能性を秘めている。
日本IBMでWebSphereの事業部長を務める三戸篤氏は、「PureApplication Systemは、スピードとコスト低減、そして変化への対応力を備えた真のPaaS基盤」と話す。
IBMが提供するアプリケーションパターンの主なものは以下のとおりだ。開発意向の表明も含め、これまで25が用意されており、今後もそのリストは増えていく。
また、パターンによって迅速にデプロイできるソリューションはパートナーからも提供されており、2月中旬現在、世界のISVら311社から376のソリューションが「PureSystems Centre」のサイトからダウンロードできるという。
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