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» 2013年04月18日 09時00分 UPDATE

Google helping small business think report:アジアの中小企業を巻き込むネット革命の嵐 Googleは「台風の目」になるのか (1/2)

中小企業に平等なビジネスチャンスが生まれている――Google主催のイベントにGoogleのユーザー企業が多数集まり、同社サービスを活用してビジネスの急成長につなげている様子を披露した。

[國谷武史,ITmedia]

 東南アジア経済の中枢であり、北東アジアやオセアニアからほぼ等距離に位置する都市国家のシンガーポール――Googleは現地時間4月17日、同社シンガポールオフィスで中小企業(SMB)のビジネス支援をテーマにしたメディア向けイベントを開催した。日本を含むアジア各国の顧客企業約20社が参集し、Googleのサービスの活用事例などを紹介した。

google001.jpg カリム・テムサマニ氏

 今回のイベントでは、世界の経済成長を牽引する中国や東南アジア諸国連合(ASEAN)の中でも、特に企業数で大きな割合を占めるSMBにフォーカスする。インターネット技術のビジネス活用事例が増えており、イベントには日本や韓国、香港を含む中国、フィリピン、インドなど13カ国・72人の記者が参加した。

 イベントの基調講演に登壇したGoogle アジア太平洋地域担当プレジデントのカリム・テムサマニ氏は、「アジアのSMBにかつてないチャンスが訪れている」と切り出した。アジア各国ではインターネットインフラやモバイルデバイスの普及が急速に進み、SMBがこれらのテクノロジーを活用してビジネスの急成長につなげていると強調した。

 「企業が顧客にアプローチするために、多額の費用をかけてテレビや新聞・雑誌に広告を出す。それができるのは大企業だけであり、SMBには難しいものだった。今ではインターネットによってわずかなコストで世界の25億人のネットユーザーにアプローチできる。それも企業が求める顧客に直接リーチできるのだ」(テムサマニ氏)

インドの無名ベンチャーに日本から相談

 基調講演の大部分は、Google AdWordsやGoogle Anlyticsといったツールの活用によるオンラインマーケティングの成功事例が紹介された。

google002.jpg Chumbakのヴィヴェク・プラヴァカール氏

 インドに本拠を置くベンチャーのChumbakもそうした企業の1社で、同社は土産品の“ご当地”マグネットの企画・製造を手がける。創業者のヴィヴェク・プラヴァカール氏は、家族で世界中を旅行し、ご当地マグネットが土産物として世界中で販売されているのを目にしたが、インドには無いことに着目し、起業したという。

 2010年の創業当初は知名度が無く、商品カタログのPDFデータを土産物販売業者にメールで提案しても引き合いはあまり無かった。そこでGoogleに「マグネットサプライヤー」という検索キーワードに連動する広告を出稿したところ、インド国内から問い合わせが増え、さらには東京の企業からも試験的に販売したいとの相談がメールで寄せられた。

 同氏は「ネットのおかげでビジネスチャンスが開かれた」と語る。現在はインドで150店舗、日本で100店舗がChumbakの製造する“ご当地”マグネットを販売しているという。

google003.jpg ネットを通じて多数の日本企業との取引が実現した

 タイやマレーシアでインテリアデザインを手がけるHomeboxは、ネット広告のキャンペーンを展開して急成長を遂げたという。同社のレスリー・タン氏によると、同社の見込み客はショールームに自動車で来店できる範囲に住む人々。「課題はいかにして彼らにアプローチするかだった」という。

google004.jpg Homeboxのレスリー・タン氏

 そのために、まずショールームの全てを疑似体験できる内容にWebサイトのコンテンツを拡充した。次に「インテリアデザイン」との検索キーワードで同社サイトがすぐに目に留まるようキャンペーンを展開して認知度向上を図った。その結果、月の売上が20〜30%アップし、月平均10件近い新規顧客の獲得にもつながった。また、同社に取引先企業も大幅に増えることとなり、顧客への提案材料もさらに充実したものになった。

 タン氏は、「顧客との関係がクリックから始まる。それが無ければ、売上が逆に20〜30%減っていたかもしれない」と振り返った。

 さらにユニークな事例を発表したのが、2006年に香港で創業したTatoo Templeだ。タトゥー(刺青)のデザインを手がける企業で、事業の中心は、デザインの企画やコンサルティング、また、タトゥーに関する相談対応など。オンライン上での顧客対応がメインで、ビデオ会議で対応するケースも少なくないという。

google005.jpg タトゥーをグローバルビジネスにつなげたクリス・アンダーソン氏

 同社のクリス・アンダーソン氏は、「当社の市場はニッチの中のさらにニッチな世界。販売したり、輸出したりできる商材でも無い」と話す。そこでGoogle AdWordsを使って認知度向上に取り組んだ。その結果、5件ほどだった毎月の問い合わせ件数が一気に100件近くに急増し、顧客の70%を海外が占めるようになった。同氏は、「インターネットが無ければ今のビジネスも無かった」と述べた。

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