ビッグデータやモバイルという機会を収益に変えるには?――情シス部門に指針を示すIBMIBM Pulse Japan 2013 Preview

ビッグデータやモバイルという新たなITの潮流が生まれる半面、セキュリティアタックは巧妙化・複雑化している。最前線でビジネス基盤を支える情報システム部門は何を指針にすべきだろうか? 日本IBMは「Pulse Japan 2013」でその解答を用意するようだ。

» 2013年04月24日 10時00分 公開
[ITmedia]
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 企業を取り巻く環境は刻々と変化している。いわゆるリーマンショック以降の景気停滞を引きずるかたちで国内メーカーの業績に厳しさは残るが、反面2013年に入り、株価は上昇を続けている。

 海外に目を向ければ、EU圏の通貨危機が予断を許さない状況だ。グローバル化を進めている日本企業にとって、気を抜けないビジネス環境が続いていると言えるだろう。

 リーマンショックが発生したのは2008年。奇しくもIBMがサービスマネジメント分野の年次カンファレンス「Pulse」を開催したのも、同年であった。初回となるPulseで当時のTivoli GM、アル・ゾラ氏は次のように述べている。

 「クライアント/サーバ型というIT基盤のデザインは、10年から15年は遅れている。これは“老化”したものであり、結果として運用/労務コストが導入コストを上回ってしまう。(こういった現状を打破するには)IT分野のみを対象としたサービス/アセットマネジメントを、非IT分野にまで拡大しなければならない」

 この発言は、まさに慧眼であると言えよう。実際、アル・ゾラ氏によるこの発言から5年たった今、企業のIT基盤は大きく変わりつつあるからだ。

 まず、従来考えられなかったアセットがスマート化され、インターネットと接続してデータを生成するようになり、市場ではビッグデータが喧伝されるようになった。同時にITインフラのクラウド化は一層進み、従来の方法ではサービスマネジメントが難しくなっている。またビジネスの現場で大量のモバイルデバイスが活用されるようにもなった。反面、セキュリティのアタックはその巧妙さを増し、単なる守りの手法では防ぎきれなくなりつつある。

米国開催のPulse 2013ではモバイル、ビッグデータ、セキュリティなどITの新たな潮流が示された

 これらの最前線に位置するのが、情報システム部門だ。変化に対応しながら、ビジネスの根幹となるIT基盤を支え、その先の収益まで見据えなければならない彼らのミッションは、大変困難なものに思える。

 では情シス部門はなにを指針とし、自らの活動を計画すればよいのだろうか? 日本IBMはその答えを、5月のPulse Japan 2013で示すという。

「Pulse Japan 2013」と「IBM セキュリティー・コンファレンス 2013」では、「クラウド・コンピューティングを中心としたITの最適化」「モバイル・デバイスを含むエンドポイント管理」「企業資産・社会インフラ管理」「セキュリティー」の4つのテーマを軸に、インフラのスマートな最適化を実現するための最新情報を、各種業界のお客様事例を交えてご紹介します。


豊富な事例を聴講できる「クラウド」「企業資産・社会インフラ管理」トラック

 今回のPulse Japanでは、先に述べた情報システム部門の課題に対応する形でトラックが設定されている。

 「クラウド・コンピューティングを中心としたITの最適化」トラックで注目のセッションは、「開発と運用を変える!IBMのPaaSが実現するDevOps」(A-4)であろう。ここで紹介される SmarterCloud Application Services は、一般にサイロ化しがちな「開発」と「運用」を一体化し、システム構築の効率を上げる「DevOps」を推進するクラウドサービスである。DevOpsのメソッドを自力で回すのは難しいが、IBMのサービスを利用することで、スムーズにその効果を享受できるようになるだろう。また、「DevOps」を実現するためのIBM Rationalソフトウェアを紹介するセッションも用意されている。このエリアでIBMは、サービス、ソフトウェア両面からアプローチする戦略だ。

 また同トラックでは、IBMの支援を受けクラウドでグローバル経営基盤を構築したパナソニックの事例も紹介される。

 事例に関しては、主にMaximoによるソリューションを取り上げる「企業資産・社会インフラ管理」トラックにおいても、力が入っているようだ。

 例えば、大成建設によるビルディングマネジメントの事例は、スマートシティに通じる貴重な知見が得られるだろう。また、7847隻もの船級登録船数を擁する世界一の船級協会(2012年5月時点)、日本海事協会によるセッションは、アセットマネジメントの事例としてかなり規模の大きなものとなっている。

 同協会ではその管理下にある船舶について、設計から廃棄までライフサイクルマネジメントを行っている。従来、船舶の設備や機器の検査は熟練のスタッフが行っていたが、アセットをスマート化することで保安検査の効率が大きく改善したという。

 反面、乗り越えるべき課題もある。センサーが生み出すデータ量は、一隻当たり年間108テラバイト。日本海事協会全体としては、5.4エクサバイトものビッグデータを扱わなければならない。この状況をIBMのMaximoやクラウドのソリューションでどのように乗り越えたのか。注目に値する事例セッションだと言えるだろう。

攻めのモバイル活用と、守りのセキュリティ・インテリジェンスの動向を知る

 ビジネスのアジリティや生産性を向上するにはモバイルの活用は欠かせない。だが外出先で利用する機会も多いだけに、エンドポイント管理がより重要になる。「モバイル・デバイスを含むエンドポイント統合管理」トラックでは、Tivoli Endpoint Managerによる統合エンドポイントマネジメントのソリューションが紹介される。

 もちろん、激しさを増すセキュリティアタックへの対処も必要だ。Pulse Japanでは同会場で「IBM セキュリティ・コンファレンス」も併催し、情報システム部門の課題に応える形だ。

 複雑化するアタックの前には、想定した攻撃のパターンに対してのみ防御する、従来型の対策では意味が薄い。ログを解析し、不自然な振る舞いに対して能動的な防御を行う「セキュリティ・インテリジェンス」をIBMは提唱しており、ソリューションとしては「IBM Security QRader」を用意している。IBM セキュリティ・コンファレンスのセッションの中では、具体的な解決策が示されるだろう。

 なおPulse Japanの会期に合わせた動きとしては、米国開催のPulse 2013のなかでも発表されたOpenStackやIBM SmartCloud Orchestratorに関わる国内発表が期待される。OpenStackはクラウド・マネジメントの新たな一歩となり得るトレンドなだけに、当日を楽しみにしたいところだ。

「Pulse Japan 2013」と「IBM セキュリティー・コンファレンス 2013」では、「クラウド・コンピューティングを中心としたITの最適化」「モバイル・デバイスを含むエンドポイント管理」「企業資産・社会インフラ管理」「セキュリティー」の4つのテーマを軸に、インフラのスマートな最適化を実現するための最新情報を、各種業界のお客様事例を交えてご紹介します。


機会を収益に変えるには?

 IBMによると、米国Pulseの参加者は年々増加し、Pulse 2013では8000人を超えたという。この要因としては、クラウド・モバイル・セキュリティ・スマートアセットを統合管理しなければならないという課題の存在と、この4分野に対する総合的なソリューションを提供できるのはIBMくらいであるという事情が影響しているだろう。

 Pulse Japan 2013では米国同様に「TURN OPPORTUNITIES INTO OUTCOMES」をテーマに掲げる。「機会を収益に変えよ」――激変するビジネス環境を支える情報システム部門にとって、今まさに求められる視点ではないだろうか。

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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2013年5月23日

「Pulse Japan 2013」と「IBM セキュリティー・コンファレンス 2013」では、「クラウド・コンピューティングを中心としたITの最適化」「モバイル・デバイスを含むエンドポイント管理」「企業資産・社会インフラ管理」「セキュリティー」の4つのテーマを軸に、インフラのスマートな最適化を実現するための最新情報を、各種業界のお客様事例を交えてご紹介します。