世界中から“ヒト”や“カネ”を集めるためのイノベーションをIBM リーダーズ・フォーラム 2013 Spring 関西 レポート(2/2 ページ)

» 2013年05月13日 08時30分 公開
[伏見学,ITmedia]
前のページへ 1|2       

優秀な技術者を大阪に!

 一連の地域版リーダーズ・フォーラムにおいて目玉といえるのが、地元の企業経営者や有識者などによるパネルディスカッションである。この関西でのイベントでは、「勝ち続けるための条件」をテーマに、関西経済連合会 会長の森詳介氏、ダイキン工業 取締役 副社長執行役員の川村群太郎氏、日本IBM 執行役員 関西支社長の須崎吾一氏がパネリストとして登壇した。モデレーターは、マーケティングコンサルタントの西川りゅうじん氏が務めた。

パネルディスカッションの様子。左から西川氏、森氏、川村氏、須崎氏 パネルディスカッションの様子。左から西川氏、森氏、川村氏、須崎氏

 グローバルでの企業競争がますます激しくなる中、関西エリアが国内はもとより、世界でも有数の経済力を身に付けていくためにはどうすればいいか。森氏は「求心力」をキーワードに挙げる。

「日本は新興国と比べてコスト競争力で劣っている。法人税や環境規制、雇用規制などは競争力をもっと高めるために改善すべきだ。一方で、研究開発力や技術力に磨きをかけて、日本にしかないもの、日本でしかできないものを生み出し続けて、いかに海外から人材や資金を取り込んでいくかが今後の課題だ」(森氏)

 この点に川村氏も同調。実際にダイキン工業では、高度な専門性を備えた技術者を集結させる「テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)」を大阪に開設する予定だ。「京都大学、大阪大学、奈良先端科学技術大学院大学、神戸大学、さらには海外の大学などとタッグを組み、優秀な技術者を700人集める。産官学が一体となってグローバル競争に打ち勝っていく」と川村氏は意気込む。

 産官学の連携については、関西経済連合会が中心となって推進する「関西イノベーション国際戦略総合特区」にも期待が寄せられている。関西エリアでは特に「ライフサイエンス分野」と「新エネルギー(グリーン)分野」に注力して、国際競争力向上のためのイノベーション基盤を構築していく予定で、ここでの成果を出すことで海外から人材や資金を調達したい考えだ。森氏は「世界のマーケット動向を見ても、ライフサイエンスとグリーンは今後の広がりが期待できる分野だ。関西に集積する企業や研究機関のポテンシャルを活用して新しいイノベーションを起こしていきたい」と強調する。

「シリコンバレーに並ぶよう、関西をイノベーションの拠点にしていきたい。特区の中からから1つでも成果を出して世界に認めてもらい、次の展開につなげていく。今こそ関西全体の力が試される重要な時期を迎えているのだ」(森氏)

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ