米オバマ政権が、ばかげた特許訴訟から米国のイノベーターを守るため、法改正立案を含む“パテントトロール”対策を打ち出した。
米連邦政府は6月4日(現地時間)、「米国のイノベーターをばかげた訴訟から守り、最高品質の特許を守るために考案した」5つの執行的行動と7項目の法制に関する立案を発表した。
バラク・オバマ米大統領は2011年9月に米特許法改革法案「America Invents Act」に署名し、この法案は2013年3月16日に施行された。先発明主義(first-to-invent)から先願主義(first-inventor-to-file)に切り替えたことにより、特許の申請から承認までの期間が短縮されるなどの改善が見込まれるが、オバマ大統領は2月に「われわれは特許改革の途上にある。より洗練された特許法が必要だ」と語っていた。
今回の表明は、保有する特許権を侵害しているとして企業を提訴し、賠償金やライセンス料を獲得しようとする、いわゆる「パテントトロール」の取り締まりにフォーカスしている。発表文には「近年、いわゆる“スマートフォン特許戦争”が急増しており、多数の大企業が研究開発よりも特許訴訟や防衛的買収に資金を投じている」とある。
5つの執行的行動は以下のようになっており、議会に実施を求めた7項目の法制上の措置は、これらを推進する内容だ。
米政府の公式ブログによると、過去2年間にパテントトロールによる訴訟の件数は約3倍になり、米国におけるすべての特許訴訟の62%を占めるという。パテントトロールの犠牲者が2011年に支払った金額は290億ドルで、2005年より400%増えたとしている。
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