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» 2013年06月13日 15時34分 UPDATE

モバイルデバイスの能力を引き出すアプリ活用環境を強化 日本IBM

日本IBMは開発ツールやビジネスプロセス管理製品におけるモバイル対応を一層強化した。また、大量のデバイスと双方向のメッセージを可能にする新製品も投入する。

[國谷武史,ITmedia]

 日本IBMは6月13日、モバイル対応を強化した開発ツールの最新版「IBM Worklight V6.0」およびビジネスプロセス管理製品の最新版「IBM Business Process Manager V8.5」、大量のデバイスと双方向のメッセージを可能にするアプライアンス新製品「IBM MessageSight」を発表した。

 IBM Worklight最新版では、(1)機能テストの自動化、(2)情報の収集・分析、(3)Geo Locationサービス――の3つの機能強化が図られた。(1)は、Worklightで開発したモバイルアプリのテストで、開発者がテストシナリオを記述したスクリプトを実機に組み込むことで、自動的にテストを実行、その結果をWorklightにフィードバックできる。いったんスクリプトを作成すれば、iOSやAndroid、Windows Phoneなど異なるプラットフォームでもテストを実行できるため、開発の期間や工数を削減できるという。

ibm01.jpg 異なるプラットフォームのモバイルアプリを容易に開発できるというWorklight

 (2)は、Worklightで開発したアプリを稼働しているサーバからユーザーの利用に関するログ情報をWorklightに取り込み、分析できる機能となる。例えば、ユーザービリティの改善ではアプリの操作状況や利用時間などを分析して、改良ポイントの発見に役立てられる。セキュリティ対策では脆弱性のあるバージョンのユーザー数やプラットフォーム別の利用状況などを把握して、更新版を迅速に展開するといったことが可能になる。また、Webサイトの利用者の解析ソフト「IBM Tealeaf Customer Experience」とも連携し、デバイスでのユーザーの操作履歴など取得して、問題点の早期発見や解決にも活用できるとしている。

 (3)では新たに、ユーザーの行動範囲をエリア化して把握する「Geo Fence」という概念によるサービスを実現する。デバイスのGPSなどによる位置情報の活用サービスは既に可能だが、Geo Fenceではサービス提供者側が規定したエリアにユーザーが入ると、例えば、クーポンを自動配信する、あるいはホテルのチェックインを自動的に行うといったサービスが可能になるという。従来は詳細な位置情報を取得する仕組みをアプリやサーバに実装する手間があったが、Geo FenceではWi-FiのSSIDだけでチェックするというように簡素化できる。位置情報を取得する間隔を長くして、デバイスの負荷を減らすといった工夫も行える。

 IBM Business Process Manager V8.5ではモバイルデバイスに最適化したユーザーインタフェースを作成する「Coach Designer」というツールを組み込んだ。Coach DesignerはWorklightとも連携し、位置情報や地図などを取り入れたビジネスプロセス管理機能を取り入れることができるようになった。

 新製品のIBM MessageSightは、MQ Telemetry Transport(MQTT)プロトコルによる大量メッセージの同報配信や、配信先デバイスからの返信などが可能になる。MQTTはHTTPプロトコルに比べて使用帯域が小さく、リソースを節約できるのが特徴で、例えば、Facebookのモバイルチャットアプリなどでも採用されているという。アプライアンスをDMZ上に配置して、外部サービスや社内サーバなどと接続するという構成をとる。想定されるサービスとしては、例えば、株価情報の配信サービスでユーザーごとに異なる銘柄の情報を高頻度にリアルタイムに配信したり、ユーザーがその情報をもとに買い注文を行ったりといったことが実現するという。

ibm02.jpg IBM MessageSightの利用イメージ

 Worklight V6.0は21日に発売し、ライセンス使用料は559万9150円、Business Process Management V8.5は14日に発売し、ライセンス使用料は6万5730円。MessageSightは発売済みで、2735万9850円となっている。

 記者会見した理事 ソフトウェア事業 WebSphere事業部長の三戸篤氏は、「企業にとってモバイルは、もはやメールを見るといった利用だけにとどまらず、ビジネスの差別化を図る手段だ。位置情報といったモバイルならではの“コンテキスト”を活用する仕組みがこれから必要になる」と語った。

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