ビジネスの生産性向上と顧客接点の広がりを可能にする新製品、HPがアジア市場に訴求HP World Tour Beijing Report

中国・北京で開催中の「HP World Tour」で米HPは、ビジネス向けクライアントソリューションも多数披露した。コンセプトはビジネスの生産性向上と顧客接点の広がりだ。

» 2013年06月25日 07時30分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 HPは、米国での年次カンファレンス「HP Discover」を受けて世界の主要市場を回る「HP World Tour」を6月24日から中国・北京で開催している。初日のメディア向けイベントでは前半のITインフラやビッグデータがテーマのカンファレンスに続き、ビジネス向けクライアントソリューションも披露した。

アンネリーゼ・オルソン氏

 アジア太平洋および日本(APJ) プリンティング・パーソナルズシステムズグループ コンピューティングソリューションズ バイスプレジデントのアンネリーゼ・オルソン氏は、クライアントソリューションに対するユーザーニーズについて、「モビリティを駆使した生産性の向上を図りつつ、同時に知的財産など大切なビジネスデータの保護も守りたい」と説明。モバイル、コラボレーション、セキュリティを軸として、PCおよびプリンタ、サービスからなる3つの新ソリューションを発表した。

 1つ目のソリューションは、セキュリティ対策による安全の確保とモバイルからの印刷を可能にする「HP ePrint Enterprise」だ。同ソリューションは、ワイヤレスプリティングのクラウドサービス「HP ePrint」を企業向けに強化したもの。モバイルPCやタブレット、スマートフォンからドキュメントデータをクラウドにアップロードし、ePrint対応MFPから出力できる。同社のアクセスコントロールとの組み合わせにより、ドキュメントの利用や出力などを制御し、モバイル環境からの安全なドキュメント活用を実現するという。

安全な“どこでもプリント”を企業でも可能にするというデモ

 2つ目のソリューションがビジネス向けタブレット「HP Elitepad」を使用した「モバイルPOS」。Elitepadの拡張オプションの1つ「リテールジャケット」を利用し、店舗内などで場所を問わずに決済を可能にする。3つ目のソリューションが、顧客とのコミュニケーションの管理を支援する「HP Exstream」である。

 特にHP Exstreamではダイレクトメールやカタログ、Web(企業サイトやソーシャルメディア、サイネージなど)といったあらゆる顧客接点において、企業が顧客ごとにパーソナライズしたマーケティングコミュニケーションを実行できるようになるという。

 現状でこうした顧客接点は分断化しており、それぞれの接点で得られた顧客の声などのデータを統合して、マーケティングコミュニケーションにつなげるのが難しい。HP Exstreamではこうした顧客接点で得たデータ、あるいはCRMでの顧客管理情報に加え、新たに非構造化のビッグデータ分析基盤「Autonomy」との連携も可能になった。こうした顧客に関する知見や情報ソースと企業が保有するコンテンツを連携させ、パーソナライズしたメッセージを顧客に効率的に提供していくためのワークフローを実現するとしている。

非構造化データ分析基盤のAutonomyをCRMに活用していく

 オルソン氏は、同社のソリューションを導入した米国のヘルスケア企業がTCOの50%削減や顧客ロイヤリティの17%向上を実現したという効果を紹介し、「市場への商品展開までの時間も大幅に短縮できるなど、効率性と価値の向上を可能にする」と語った。

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