AT&T、Leap Wireless買収でLTE向け周波数帯獲得へ

Verizon Wirelessを追う米通信キャリア2位のAT&Tが、LTE向け周波数帯を保有する通信キャリアLeap Wireless Internationalを約14億ドルで買収すると発表した。ソフトバンクが買収を完了した3位のSprintを迎え撃つ狙いだ。

» 2013年07月14日 07時42分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米通信キャリア2位のAT&Tは7月12日(現地時間)、プリペイド携帯電話サービスの米Leap Wireless Internationalを1株当たり15ドルで買収することで合意に達したと発表した。買収総額は約12億ドル。Leapは28億ドルの負債を抱えており、実質的な買収コストは約40億ドル。米連邦通信委員会(FCC)や米司法省の承認を待ち、向こう6〜9カ月で取引を完了する見込みという。

 この買収により、AT&Tは約500万人の加入者と、約1億3700万人をカバーできる周波数帯(PCSおよびAWS)を獲得する。AT&Tは買収完了後すぐにも、Leapの遊休周波数帯(4100万人をカバー)をLTEネットワークに利用するとしている。Leapが展開している「Cricket」ブランドのプリペイド携帯サービスは、ブランド名を残して運営する。

 leap Cricketブランドのプリペイドサービスでは、iPhoneやGALAXY S4も提供している

 AT&Tはかつて、後れを取っているLTEネットワーク拡大を目的に独Deutsche Telekom傘下で米通信キャリア4位のT-Mobile USAを約390億ドルで買収しようとしたが、独禁法違反で提訴され、買収を断念している。

 Leapの周波数帯を獲得することで、ソフトバンクが買収を完了した米通信キャリア3位のSprint Nextelを迎え撃つ。Sprintは昨年11月にU.S. Cellularから30MHz分の周波数帯を購入した他、Clearwireの完全子会社化によってさらにLTE向け周波数帯を獲得している。

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