外付型ディスクストレージ市場、金融など主要7産業でプラスに

IDC Japanは、国内外付型ディスクストレージシステム市場の産業分野別の2012年実績と2017年までの予測を発表した。

» 2013年07月18日 18時19分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは7月18日、国内外付型ディスクストレージシステム市場の産業分野別の2012年実績と2017年までの予測を発表した。それによると、2012年実績の主要産業分野別の支出額構成比は、金融が19.9%、製造が16.8%、通信/メディアが14.7%を占めた。金融が前年より0.6ポイント上昇する一方、製造が0.1ポイント、通信/メディアが1.2ポイント減少している。

 2012年は主要10産業分野(金融、製造、小売/卸売、情報サービス、通信/メディア、教育、官公庁、医療、公共/公益、その他)のうち7産業分野が前年からプラス成長となった。そのうち、支出規模が前年を10億円以上となった金融、情報サービスの成長が同市場の成長を支えている。一方、2011年に高い成長となった通信/メディアは、2012年はマイナス成長となった。

 これまでは、各産業分野の成長率と各産業分野でのディスクストレージシステムサプライヤーの成長率が連動する傾向がみられた。しかし2012年は、各産業分野でのサプライヤーの成長率が、その産業分野の成長率とは連動しない傾向が顕著に表れ、各産業分野でのサプライヤーのシェアが大きく変動している。各産業分野に対するサプライヤーの製品戦略、販売戦略の違いや、各産業分野において強みを発揮できたかが、サプライヤーの成長率に影響を与えているという。

国内外付型ディスクストレージシステム市場 主要産業分野別 支出額実績:2012年(出展:IDC Japan)

 IDCでは2013年〜2017年の予測期間中、主要産業分野別では通信/メディア、情報サービス、製造が成長セグメントとなり、市場の成長をけん引するとみている。クラウドサービスなどを提供するサービスプロバイダーへのIT支出のシフトや、各産業分野におけるビッグデータやビッグコンテンツの増加による新たな支出の創出が成長の要因になるとしている。

 ストレージシステムズ リサーチアナリストの宝出幸久氏は、「国内産業構造の中長期的な変化や、国内企業のIT支出パターンの変化が産業分野別のディスクストレージシステム市場の成長性に影響を及ぼしている。ストレージサプライヤーは、この変化を正確に把握した上で、自社の注力する分野を明確にし、ストレージビジネスの成長の軸としていくことが重要である」と分析している。

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