第一三共、グローバルビジネスに対応した基幹業務システムを構築導入事例

第一三共はSAP ERPを中心とした新たな基幹業務システムの利用を開始している。

» 2013年07月25日 17時48分 公開
[ITmedia]

 医薬品メーカーの第一三共がSAP ERPを中心とした新基幹業務システムを構築し、4月1日に稼働を開始した。システム構築を手掛けたNTTデータグループのJSOLが7月25日、発表した。

 第一三共グループは、世界の多様な医療ニーズへの対応と持続的な成長を掲げ、ITシステムでのグローバル化を進めてきたという。グループ連結における国際会計基準(IFRS)への対応を準備しつつ、日米欧の主要3地域から会計、サプライチェーン、人事の各領域におけるグローバル水準の業務プロセスの確立に向けた標準化・最適化に取り組んでいるという。

 今回構築した新たな基幹系業務システムは、欧州や米国など地域別ごとの商習慣や事業特性を考慮しつつ、「MDM(マスターデータマネジメント)による変換マスタ」と「グローバルデータウェアハウス」を活用した連結経営管理システムとなっている。これは、IFRS対応だけにとどまらないグローバルマネジメント基盤の実現したことによる。

 同システムの構築は、第一三共の欧州地域で先行してIFRSに対応していたシステムモデルをベースに、高度な業務運営効率のために必要となる機能を、JSOLの医薬向けテンプレート「J-Model」で適用している。これにより、プロジェクト規模としてはわずか2年弱で完了した。

 併せて需給管理システムも導入。第一三共では業務の向上と、人事領域・会計処理のワークフローの統一によるユーザビリティーの向上の実現、さらには販売・物流システムのダウンサイジングなどによるコスト削減といった効果を期待しているという。

 さらにグローバル経営に資する情報を可視化すべく、NTTデータグループの持つビジネスインテリジェンスや連結経営管理のノウハウと、JSOLのMDMを活用。統一基準によるグローバル全体の損益情報・在庫・需給・原価・人事管理情報などの一元化できるようにした。そのために新システムは、国内製薬業界では初めてインメモリ技術を導入している。

 JSOLは今回の経験を横展開し、3年後に20億円規模のビジネスを目指すという。

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