x86サーバの産業分野別出荷台数、構成比でITサービスが初の首位

IDC Japanが発表した国内サーバ市場の産業分野別動向では2011年までx86サーバでトップの製造業をITサービスが抜いた。

» 2013年07月25日 18時16分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは7月25日、国内サーバ市場の産業分野別動向を発表した。2012年の出荷額構成比の上位3分野では金融が21.4%、製造が19.1%、通信・メディアが13.3%を占め、金融が2.8%アップした。なお、2011年に出荷された「京」コンピュータは例外として除いているという。

 2012年の金融業向けの出荷額は、メインフレームによる大型案件が多数あり、前年比17.8%増と好調だった。金融におけるメインフレームの出荷額構成比は過去最大の58.5%を記録した。また製造業向けの出荷額は、前年比1.6%減で小幅な減少に収まった。製造業では2010年以降に、x86サーバの出荷額構成比が増加傾向を示し、2012年は過去最高の66.8%を占めた。これはコスト削減志向の高まりから、低価格なx86サーバにシフトする傾向が表れたもの。

 一方で通信・メディアの出荷額は、前年比10.7%減となった。2011年にスマートフォンなどモバイルデバイスの普及によってインターネットアクセスが急増し、通信業のサーバインフラの増強が急ピッチで進められた。2011年は出荷額が大幅増(前年比13.5%増)だったが、2012年はその反動がみられた格好だ。

 2012年の国内x86サーバ市場における出荷台数は、2011年までトップを維持してきた製造業をITサービスが初めて抜き、トップになった。インターネットビジネスおよびクラウドの拡大傾向が、産業分野別動向に表れている。

国内サーバ市場 産業分野別製品別出荷額構成比(京を除く)、2012年。出典:IDC Japan

 サーバ リサーチマネージャーの都築裕之氏は、「国内サーバ市場では産業分野により市場特性が異なるため、各産業分野に適した市場戦略が必要。今後の市場ではITサービス、製造、通信・メディアが成長セグメントとみており、各産業分野に最適化したソリューションの開発が非常に重要である」とコメントしている。

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