「クラウドファースト」を意識する企業が大幅拡大――MM総研調べ

ICT投資全体に占める割合は、2012年度の2.1%から2017年度は8.2%に拡大すると予測している。

» 2013年08月28日 16時25分 公開
[ITmedia]

 MM総研8月28日、国内クラウドサービスの市場規模や予測と需要動向に関する調査結果を発表した。企業のICT投資の鈍化傾向が続く中で、クラウドに対する投資は今後も拡大すると予想、「クラウドファースト」の意識が着実に広がっていると報告している。

 この調査は、予備調査を踏まえて実際にクラウドサービスを導入済み、あるいは検討している1562法人から得た回答をもとに、ICT投資額全体に占めるクラウドサービス市場の動向などを分析した。

 それによると、ICT投資総額に占めるクラウドへの投資の比率は、2012年度が2.1%(推定5102億円)だったものの、その後の5年間では年平均32.0%で成長を続け、2017年度に8.2%(同2兆411億円)に達すると予想している。新規システムの導入でクラウドを優先的に検討する企業は69.1%に上った。

 サービス分野別の市場規模ではパブリッククラウドの成長率が最も高い。20112〜17年度に年平均41.9%で拡大し、2017年度には2728億円に達するとみている。プライベートクラウドはパブリッククラウドほどではないものの、金額ベースでクラウド市場の約7割を占めて市場全体を牽引し、2017年度には1兆4918億円規模に成長する見込みだ。

 クラウドサービスの導入目的は、パブリッククラウドを検討している企業203社では「既存システムの運用コストを下げるため」「システム運用負担を軽減するため」「安価に新規システムを構築するため」といたコスト意識が上位を占めた。サービス選定では「セキュリティへの対応力の高さ」「運用コストの安さ」「導入コストの安さ」など、セキュリティ面を重視している傾向も浮かび上がっている。プライベートクラウドを検討する企業も、選定ポイントでは「セキュリティへの対応力の高さ」が最多だった。

 企業が利用や検討するクラウド事業者は、パブリッククラウドではAmazon、Google、NTTコミュニケーションズ、Microsoft、富士通の順に多く、プライベートクラウドではNTTコミュニケーションズ、富士通、Amazon、NTTデータ、Microsoftの順となった。

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