【新連載】「いいね!」がなくてもいいのだ Facebookでチーム力を高めたコスメ・コム女子大生の突撃レポ! 貴社のソーシャルメディア活用術(2/2 ページ)

» 2013年09月18日 08時00分 公開
[細野皐月,ITmedia]
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義務ではない、無理をせず

コスメ・コム 商品企画グループの尾崎舞子さん コスメ・コム 商品企画グループの尾崎舞子さん

 一方、業務でFacebookを使う上での障壁や課題はないのでしょうか。1つ思い浮かぶのが「運用」です。Facebookグループは誰でも気軽に作ることができるので、膨大かつさまざまなコミュニティーのグループが乱立しています。しかしながら、活性化するのは一時的で、イベントなどが終わってしまうと更新されなくなるグループがほとんどです。

 私も同窓会やサークルの集まりなどがある際にはグループページができることが多いのですが、それらの利用は一過性で、イベントが終わってしまうとグループページへの書き込みはほとんどなくなってしまいます。

 そうした中で、コスメ・コムのFacebookグループが2年経った今も積極的に利用され続けている秘けつとは一体何なのでしょうか。

 継続するための秘けつについて、尾崎さんは「無理をせず気軽に情報発信することが大切」だと話します。仕事だと思って義務化するのではなく、自分自身のメモ代わりに、あるいはメンバーとカジュアルに情報を共有するために使えばいいのだといいます。「だから、投稿に『いいね!』が1つもつかなくても気にしない」と田島さんも強調します。

 「宣伝や販促のためではないので、社員からの『いいね!』の数を気にしてしまうと、気軽に投稿を続けられなくなる原因になるからです」(田島さん)

 そうした考え方がベースにあるので、仕事とプライベートの線引きを明確にはせず、業務時間が終わっても常にアンテナを張り、日常の発見や気付きを積極的に仕事に生かしていくスタイルが自然と身に付いたようです。また、ソーシャルメディアの手軽さによって、「明日に情報共有する」のではなく「今すぐ発信する」ということが当たり前になったそうです。

 また、若いメンバーがお互いに切磋琢磨するというコスメ・コムの社風や、12人という組織の規模感も、これだけ活発にソーシャルメディアを活用できる要因なのかもしれません。


 私ははじめ、ソーシャルメディアを上手に取り入れている企業に、その具体的な利用方法について伺うつもりでいました。けれども、実際にお話を聞くと、決してソーシャルメディアをスマートに取り入れようという姿勢が先行しているわけではなく、あくまでより熱意を持って仕事をするため、より良い結果を出すために、ソーシャルメディアが使われているのだなという印象を受けました。

 今回コスメ・コムの取り組みを取材し、企業の業務にソーシャルメディアを取り入れるということが想像以上に大きな可能性を秘めているのだということを実感しました。日ごろからから仕事に生かせるような情報をキャッチするアンテナを張ることができるようになるだけでなく、メンバー同士でお互いの仕事に対する考え方や姿勢を知るためのコミュニケーションの場にもなるのです。そうしたコスメ・コムのサービス現場の結束力が、ひいてはユーザーである女性たちの心を掴むECサイトを作り上げているのではないでしょうか。

 私たち大学生も積極的に利用しているソーシャルメディアですが、コンシューマー向けという固定観念にとらわれず、ビジネスに必要な要素を見極めてどんどん活用しているところは非常に魅力的に感じました。

取材にお邪魔したのはまさにオフィス移転の数日前。このエントランス風景も見納めだということでした 取材にお邪魔したのはまさにオフィス移転の数日前。このエントランス風景も見納めだということでした

著者プロフィール

細野皐月(ほその さつき)

1991年5月14日生まれ、神奈川県横浜市出身。フェリス女学院高等学校卒業、

上智大学外国語学部フランス語学科在学中。準ミスソフィア2012。現在は、大学でフランス語を勉強しながら、リポーターや撮影モデルなどの活動をしています。


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