日立、統合運用管理ソフト「JP1 V10.1」を提供 自動化機能を大幅強化

日立がJP1の新バージョンとなる「JP1 V10.1」をリリース。各運用プロセスの連携性を高め、インシデント管理からオペレーションの自動実行までをスムーズに行えるようにした。

» 2013年09月26日 14時09分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は9月26日、統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」の新バージョンとなる「JP1 V10.1」を発表した。各運用プロセスの連携性を高め、インシデント管理からオペレーションの自動実行までをスムーズに行えるようにしたという。

 JP1は、システムの統合監視からオペレーション手順の共有化/標準化、運用作業の自動化までを支援するソフトウェア。運用プロセス別に「JP1/IM」(JP1/Integrated Manager)、「JP1/IM-SS」(JP1/Integrated Manager-Service Support)、「JP1/IM-NP」(JP1/Integrated Manager-Navigation Platform)、「JP1/AO」(JP1/Automatic Operation)などを提供している。

 新バージョンは、各運用プロセス間の連携機能を強化した。例えば、インシデント管理用のJP1/SSと作業手順ナビゲーション用のJP1/IM-NPを連携させ、発生したイベントに対応する作業手順を自動で呼び出せるようにした。また、JP1/NPで呼び出した作業手順をJP1/AOに送信し、パラメータを自動設定することで対処も自動化できるようになった。

 一連の運用プロセスはシングルサインオンで行われ、障害の発見から対処までをスムーズに進められるという。これにより、管理者のオペレーションミス防止や、IT運用の効率化などを支援するとしている。

photo 運用プロセス間の連携イメージ(出典:日立製作所)

 各運用プロセスもアップデートした。システム監視では、イベントが大量発生した際に類似のインシデントを集約する機能を搭載。管理者が確認しやすくしたほか、JP1/AOによる類似の自動アクションの大量実行も防げるようになった。

 運用自動化では、自動化したオペレーションを各機器やソフトウェアなどに指示する「自動化コンテンツ」のエディターを刷新。従来はXMLで自動化コンテンツを作成/カスタマイズする必要があったが、新バージョンはGUIで自動化コンテンツを編集できるようになった。また、仮想化/クラウド環境向けの運用自動化コンテンツセットとして、新たにHyper-VとOpenStack(12月提供予定)を追加している。

 多言語対応も強化した。ネットワーク管理の「JP1/Cm2/NNMi」(Network Node Manager i)と「JP1/Cm2/SSO」(JP1/Cm2/SNMP System Observer)の複数言語版(日本語、英語、中国語)を新たにラインアップに加え、グローバルで事業を展開する企業でも言語別のライセンス数を意識せず利用できるようにした。

 このほか、新たなサービスラインアップとして「JP1 IT資産管理サービス」を提供する。全国300拠点の日立の保守スタッフが顧客企業のPCやスマートデバイス、サーバ、ソフトウェアライセンスなどのIT資産を現物確認し、実態に即した形での管理代行やレポーティングなどを行うという。また2014年度には、IT資産管理の手順設計やシステム構築を支援する「IT資産管理方式/システム構築サービス」も提供するとしている。

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