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» 2013年10月08日 08時00分 UPDATE

田中克己の「ニッポンのIT企業」:Excelで業務システムを作る! (1/2)

「もっと手軽に、安価にシステム開発できることを世の中に知ってほしい」とILI総研の内藤社長は訴える。実際、同社のプログラム作成ツールは、中堅・中小企業から大企業へとユーザーを拡大している。

[田中克己(IT産業ウオッチャー),ITmedia]

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 アイエルアイ総合研究所(ILI総研)が開発したプログラム作成ツール「StiLL」のユーザー層が中堅・中小企業から大企業へと広がっている。サーバ版やセキュリティなどの機能を拡充したことで、StiLLの利用者は3800社超、約15万ランセンスに達する。IT企業などと組んで、新規顧客も開拓する。

Excelデータで業務システムを構築

 StiLLはExcelをプラットフォームにしたエンドユーザー向けプログラム作成ツール。180超のコマンドを使って、コーディングなしで、Excelなどのデータを駆使した業務システムを安価に構築できるもの。要件定義しながら、開発を進められるのが受けて、最近はIT部門やIT企業の技術者もシステム作りに使い始めている。

 ILI総研の内藤慶一社長によると、「課題解決型の営業プロセスをExcelで作ったものが原形で、画面上のボタンをクリックすれば必要なデータを取り込める仕組みにした」のが特徴。例えば、業務日報をクリックすると、その内容が表示される。もちろん、ExcelのVBA(Visual Basic for Applications)でもプログラムを作れるが、「修正が大変だったり、データベース(DB)からのデータ取得に時間がかかったりする」(内藤社長)。

 StiLLはそんな課題を解決。あるSAPユーザーは基幹DBからデータを取り込み、損益管理や中期経営計画の作成に使っている。ある金融機関は年金運用業務に、ある商社はアパレル業務にと、大企業が部門業務の効率化に活用する事例も増えつつあるという。

 システム構築費も安価になるという。従来システムの開発費に約5000万円、維持保守費に月額約300万円だったのが、StiLLの活用で開発費が約1000万円、月額保守費が約60万円になったケースもあったという。内藤社長は「もっと手軽に、もっと安価に開発できる方法があることを、世の中に知ってほしい」と訴える。

 だが、普及には時間がかかっている。内藤社長は「背伸びしないで、こつこつやってきた」と話す。大企業からは「本当にExcelで、業務システムを作れるのか」、「セキュリティを担保できるのか」といった懸念の声もあったが、事例研究会や体験セミナーを通じて、活用法を提案してきた。

 しかも、発売から16年経ったStiLLはファイルをコピーできないようにしたり、検索時間を速くしたりするなど機能強化を図ってもきた。例えば、「ある5000件のデータを検索すると、VBAなら約38秒かかるが、StiLLは0.9秒だ」(同)。コストもVBAなど従来工法の半分以下に、記述量も10分の1以下になるという。保守が容易になるということでもある。

 内藤社長は機能拡充したことで、StiLLは本格的な普及期に入っていくと確信し、販売活動にも力を注ぐ考えのようだ。だが、社員約10人のILI総研の営業は実質、内藤社長1人。そこで、いくつかの販売施策を打ち出した。

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