富士通、SAN/NASを“共存”できるディスクストレージを発売

富士通がディスクストレージの新モデルを発表。内部にハイパーバイザーを搭載し、仮想化技術によってSAN/NASの領域を1つの筺体に格納できるようにした。

» 2013年11月06日 16時57分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo 富士通の金野茂生氏(ストレージシステム事業本部ストレージシステム事業部長)

 富士通は11月6日、ディスクストレージ製品「FUJITSU Storage ETERNUS DX series」の新モデル4機種を発売した。高性能プロセッサや新構造の採用で性能を大幅に向上させ、拡張性も高めたという。

 新モデルは、マルチスレッド対応の新プロセッサを搭載するほか、プロセッサの各コアにワークロードを適正に振り分けて処理を高速化する「マルチコアプロセッシング技術」を搭載。従来モデルと比べて最大5倍のランダムアクセス性能を実現したという。

 また、ディスクストレージとしては初めて内部にハイパーバイザーを搭載。仮想化技術を使ってソフトウェアやハードウェアを簡単に追加できるようにしたという。さらに、仮想化を通じて1つの筐体内にSANストレージとNASの両方のストレージ領域を確保できるようにした。

 「これまでは主に基幹系システム向けにSANストレージ、情報系システム向けにNASを提供してきたが、今回はこれらを合わせて提供する。ユーザー企業にとってはハードウェアの統合でコスト削減につながるほか、1つのGUIでSAN/NASを統合管理できる利点もある」(同社の金野茂生氏)。仮想化に伴うオーバーヘッドは「独自技術で最小化した」という。

photophoto 仮想化によってSAN/NAS領域の共存を可能に(左)、マルチコアプロセッシング技術のイメージ図(右)

 拡張性も向上させている。新モデルの中で上位機種に当たる「ETERNUS DX500 S3」「ETERNUS DX600 S3」は、コントローラーユニットに後から追加できる大容量フラッシュキャッシュをサポート。ストレージ管理者がディスクドライブを増設したりデータ配置を見直したりせずに性能を強化できるようにした。

 また、「高密度ドライブエンクロージャー」と呼ぶ新筺体を採用。1U当たりに搭載できるHDDの数を従来の6本から15本へと増強し、設置面積を50%以下に低減したという。

photophoto フラッシュキャッシュの追加で性能を強化できる(左)、設置面積を大幅削減(右)

 容量別に「ETERNUS DX100 S3」(196万円から)、「ETERNUS DX200 S3」(500万円から)、「ETERNUS DX500 S3」(793万6000円から)、「ETERNUS DX600 S3」(1155万7000円から)をラインアップ(全て税別)。いずれも12月16日に出荷を開始する。

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 同社は併せて、ストレージ管理ソフト「ETERNUS SF 16」も発売した。用途別に、SAN/NASのセットアップと性能/障害管理を行うための「ETERNUS SF Storage Cruiser 16」(41万円から)、バックアップ/レプリケーション管理の「ETERNUS SF Advanced Copy Manager 16」(51万円から)、簡易版の「ETERNUS SF Express 16」を提供する。いずれも12月16日に出荷を開始する。

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