【第3回】決断できないリーダーに贈る3つのステップAmeba初代プロデューサーが語る “燃焼系”プロマネ論(1/3 ページ)

プロジェクトリーダーにとって「決断力」は不可欠で、プロジェクトの成功/失敗に大きくかかわってきます。しかし、すべての人にこのチカラが備わっているわけではありません。どのように磨けばいいのでしょうか。

» 2013年11月14日 08時00分 公開
[山崎ひとみ(サイバーエージェント),ITmedia]

 連載の第1回第2回では私の実際の経験談を基に、プロジェクトマネジメントにおいて最も重要なのは「決断」と「チームビルド」だということをお話してきました。

 今回はそのうちの1つ、「決断力の磨き方」がテーマです。

 「プロデューサーの仕事は、決断だ!」というくらい、プロデューサーやプロジェクトリーダーの決断力というのは重要度が高いのです。しかしながら、すべての人に決断力が備わっているわけではありません。では、どうすればいいのか。決断力を磨く必要があります。

 私の考える決断力を磨くためのSTEPは次の通りです。

■STEP1:「小さな決断」をする習慣をつける

■STEP2:決断精度を上げる(軸を決めて決断の回数をこなす)

■STEP3:決断したことの実行精度を上げる(決めたらそれを正解にするための「結果への執念」を持つ)

 では、このSTEPにのっとり、決断力について考えていきましょう。

STEP1:「小さな決断」をする習慣をつける

 私自身は元々、何かを決めることに関しては人よりも得意なほうだと考えています。普段生活していても優柔不断だとあまり言われることはありません。むしろ我を通そうとしがちなタイプなので、自分でも困ることがあるくらいです(笑)。

 そうした私が見てきた中だと、決断するのが得意なタイプと、そうでないタイプがいると思っています。

 決断力が元々ある人の特徴は、

  • 独自の価値観で物事を見ている(自分のフィルタを持っている)
  • 仕切りたがりで、人の言うことをあまり聞かない(聞いても、参考意見としかとらえていない)
  • いい意味で人を信用していないので、皆の意見と自分の意見のすみ分けが明確

などです。

 要は、一見個性的で我が強くてちょっと面倒くさいやつの方が、放っておいても自分で何かを決めてくる確率が高いように感じます。

 逆に、一見明るくて人に好かれていて、どちらかというと楽観的な人の方が、実は決断する力が弱いように思うことがあります。

 彼らは人の意見を聞いたり、総意をまとめたりすることが得意なので、(それが良い悪いということではなく)「それ、自分で決めてないよね?」ということが多い傾向にある気がします。

 自覚がある人もいるかもしれませんが、得手不得手にかかわらず、仕事の中で決断を求められる立場にある場合は、何よりもまずは自分が「決断できる人」になることが重要です。

 では、決断するのが苦手だと感じている人が、決断力を身に付けるにはどうしたらいいのでしょうか?

 私は、「自分の中で答えを用意する癖」をつけ、「小さな決断」の習慣をつけることが最も有効だと思います。

 例えば、何かの目的を達成するためのアイデアが複数浮かんで、甲乙つけがたい場合でも、自分の中で一度、これがベストだと決めてしまう。何かを上司に相談するとき、無理矢理にでも自分の中で一度、答えを出してから話すようにする、などです。

 決める側になってみると分かりますが、この癖がついていない人は、可能性を最大限に並べて、最後に「どっちがいいと思いますか?」「どれがいいと思いますか?」と聞いてくるので、自分の中で答えを決められないことが明らかです。

 答えのあるなしで、小さくても決断しているかどうか、本当に大きな差があります。まずは小さくても物事を決める癖をつけることで、自然と決断力が培われていくはずです。

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